前回は「禁酒一択」といった話をしました。
そうは言っても、、、という方もいらっしゃることでしょう。
仮に、飲酒するにしても安全に楽しみたいものです。
飲酒で失神
先日、仕事の後バーで、空きっ腹にワインを飲んでいたら気分が悪くなって、トイレに立ったら失神、転倒した人がいたという話を耳にしました。
最近心臓のチェックは受けて問題なかったとのこと。心臓を含め、特に持病がないと仮定すると、
・アルコールによる血管拡張+脱水
・迷走神経反射(自律神経の乱れ)
・席を立ったことによる起立性の血圧低下
といった複合的要因での失神の可能性がたかそうです。
(リスクは低そうでおそらくは心配ないけれど、飲酒してない状況で同様の失神を繰り返すなら精査が必要です。)
飲酒による脱水
ここで取り上げたいのは、飲酒による脱水です。
アルコールは「飲み物」ですからもちろん水分なのですが、利尿が促されますので身体の水分はむしろ少なく(脱水)なります。飲み過ぎた翌朝に強い口渇を感じたことがある方も少なくないと思います。
ビールくらいアルコール度数5%ほどですと、脱水にはなりにくいです。
ワインは一般的には12%前後くらいですが、このくらいを超えてくると飲みすぎると脱水になる可能性が高くなってきます。
下のグラフは、ビール、ワイン、スピリッツを飲んだ時の体内の水分バランスを示しています(1)。
右に伸びると体内の水分が増える、左に伸びると体内の水分が減る(脱水)ことを示します。
出典:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1467-3010.2009.01795.x
Pint とは、概ね500mlくらい
full-strength beerとは、アルコール度数7%くらいのビール
low-strength beerとは、アルコール度数3-4%くらいのビール
standard wine glassとは、175ml
large wine glassとは、250ml
だそうです。
ビールは概ね、飲んだ分体内の水分が増えます。
それ以上のアルコール度数ですと、体内の水分が減る方向に働くことがよくわかります。
飲酒時には水分補給を!
したがって、アルコール度数12%以上のアルコール、つまりワイン、日本酒、焼酎、ウイスキー、、、などなどビール以外のアルコールほとんどですね、それらを飲む時は必ず水分補給を心がけましょう。
ワインですと、グラス1杯毎に100mlくらいの水分補給を心がけていれば、身体の水分量が著しく減って、脱水になりふらついたり失神したりという確率は下がるでしょう。もちろん、空きっ腹に飲酒というのも避けましょう。
まあ、アルコールを飲み過ぎなければ良いわけですが笑。
【参考文献】
(1) Popkin BM, D’anci KE, Rosenberg IH. Water, hydration, and health. Nutr Rev. 2010;68(8):439-58.