身体活動

身体活動

身体活動を「始めること」と「やめないこと」が健康長寿の鍵

はじめに 身体活動(physical activity, PA)は健康長寿を支える最も強力な非薬物的介入の一つです。これまでの疫学研究では、単一時点のPA測定と死亡リスクとの関連を検討したものが多く、長期にわたるPAの変化や蓄積パターンが死...
心拍/不整脈

日本における山岳遭難死の実態 心臓突然死の頻度は?

はじめに  登山ブームが定着した日本では、年間およそ1,100万人がレクリエーション目的で山岳地域を訪れていると報告されています(2015年時点)。その一方で、毎年300人以上が命を落としており、その大半は警察による山岳救助の対象者です。本...
心臓血管

虚血性心疾患を有する人は富士山登頂を目指せるか?

はじめに:標高3776mの挑戦に心臓はどう応えるか 富士山。標高3776mという日本最高峰の頂を目指す行為は、多くの人にとって精神的な達成であると同時に、身体にとっても大きな挑戦です。特に虚血性心疾患(CAD:冠動脈疾患)を抱える人々にとっ...
心臓血管

虚血性心疾患患者の登山

はじめに 標高2500mを超える高地は、美しい風景の裏に、心血管系にとって予想以上に過酷な生理的挑戦を隠しています。特に、すでに冠動脈疾患(CAD)を有する患者にとっては、減圧・低酸素・寒冷といった複合的なストレスが、潜在する虚血リスクを顕...
心拍/不整脈

アスリートの最大心拍数と有酸素運動:心血管と神経系の適応

はじめに:なぜ最大心拍数の変化が重要なのか 最大心拍数(Maximum Heart Rate:MHR)は、運動強度を定量化し、トレーニングの個別化を進めるうえで不可欠な指標です。従来、MHRは「220−年齢」という単純な算出式に基づいて推定...
心臓血管

心不全患者において下大静脈拡張はうっ血のサインだが、トップアスリートではよくあることらしい。

はじめに 運動生理学において、「アスリートの心(athlete’s heart)」は、長期的な持久的トレーニングにより生じる心筋の構造的・機能的な適応を指す概念として広く知られています。左室の内径拡大、壁厚増加、心拍出量の増大はその代表的変...
心拍/不整脈

ペースメーカー植込みを要した元アスリート:持久系アスリートと徐脈性不整脈

はじめに:アスリートの徐脈は本当に“生理的”か? 運動生理学の教科書において、アスリートに見られる徐脈や軽度の房室(AV)ブロックは、心臓が高い効率をもって拍出を担う結果としての「良性の適応」と記載されています。特に持久系スポーツにおいては...
心拍/不整脈

アスリートの徐脈は安全なのか? 潜在するリスク

はじめに 長期間にわたるスポーツ活動、特に持久系スポーツは、トレーニングを受けていない一般の人々では異常とされる心電図パターンを引き起こすことが知られています。中でも、洞徐脈や房室(AV)ブロックなどの徐脈性不整脈は、アスリートにおいて頻繁...
身体活動

運動が若年男性の動脈スティフネスに与える多面的効果

はじめに 動脈スティフネス(arterial stiffness)は、血管壁の柔軟性が低下し、血圧変動に対する緩衝作用が弱まる状態を指します。簡単に言うと「動脈の硬さ」です。 この変化は、心不全や脳卒中、腎不全といった重篤な疾患の前駆状態で...
心拍/不整脈

フルマラソン・ハーフマラソンにおける心停止の発生

長距離ランニング大会、特にマラソンやハーフマラソンは近年、ますます人気が高まり、多くの人々が健康維持や達成感を求めて参加しています。しかし、こうした大会において、心停止という深刻な医療事故が発生することもあります。心停止の発生率やその結果に...