心拍/不整脈

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完全右脚ブロックと内皮機能障害

はじめに 心電図検査で「完全右脚ブロック」という診断名を目にしたとき、多くの臨床家や知識層はそれを「臨床的に意義のない正常変異」あるいは「良性の予後を辿る所見」と片付けてきたのではないでしょうか。しかし、2026年に発表された最新の研究は、...
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右脚ブロックは本当に無害なのか? 前向きコホート研究のメタ解析(2015)

はじめに 日常的な健康診断や臨床現場での心電図検査において、「右脚ブロック」という所見は決して珍しいものではありません。右脚ブロックは、ヒス・プルキンエ系における正常な電気的活動が遮断され、右心室の脱分極が遅延する心室内伝導障害です。正常に...
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基礎疾患のない患者の偶然発見された右脚ブロックは本当に「良性」なのか(2020)

はじめに 右脚ブロックは、心電図検査において人口の0.2%から1.3%に見られる伝導異常です。米国心臓協会(AHA)などの基準では、QRS時間が120ミリ秒を超え、V1やV2誘導で二次性のR波が生じ、I、V5、V6誘導で幅広くスラーを伴うS...
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HFpEFにおけるβ遮断薬と永久ペースメーカの相乗的生存戦略

はじめに 心不全パンデミックという言葉が現実味を帯びる現代において、左室駆出率が維持された心不全(HFpEF)は、循環器内科医が直面する最も難解なパズルの一つです。駆出率が低下した心不全(HFrEF)では、β遮断薬やRAAS阻害薬、SGLT...
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心停止に対する心臓マッサージ(胸骨圧迫)の真実:半数以上で出口が塞がれている?

はじめに:蘇生の盲点を突く 心肺蘇生(CPR)において、私たちは長年、ガイドラインが推奨する胸骨下半分の圧迫が最適であると信じて疑いませんでした。しかし、この「ブラインド」な介入が、実は個々の患者の解剖学的多様性を無視した、画一的なアプロー...
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禁煙補助薬で心室性期外収縮抑制

不整脈治療における歴史的ジレンマと新たなパラダイム 循環器内科の歴史において、心筋梗塞後の不整脈管理は常に困難な課題であり続けてきました。かつてCAST試験(Cardiac Arrhythmia Suppression Trial)が我々に...
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日本人の心臓は「左心房は小さいが、そこから生えている左心耳だけが突出して大きい」

はじめに 心房細動に伴う脳卒中の90%以上は、左心耳という小さな袋状の組織で形成される血栓に起因します。この左心耳を物理的に閉鎖する左心耳閉鎖術(LAAC)は、抗凝固療法の継続が困難な患者さんにとっての福音となりました。しかし、この治療の鍵...
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左心耳の形と心房細動血栓形成リスク

はじめに 心房細動(AF)は現代社会において最も頻度の高い不整脈であり、その最大の脅威は塞栓症、特に脳卒中です。私たちは長年、CHA2DS2-VAScスコアという指標を用いて患者のリスクを推定してきました。しかし、このスコアが同じであっても...
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過活動膀胱治療薬ソリフェナシンとミラベグロンの心房細動リスク

はじめに 過活動膀胱(Overactive bladder;OAB)は、高齢化社会において極めて一般的な疾患であり、その治療薬は多くの患者の生活の質を支えています。しかし、これらの薬剤が心臓の微細なリズムを乱す可能性については、これまで断片...
Digital Health

心房細動患者のSNSでのつぶやき

はじめに 大規模言語モデル(LLM)という現代最高の知性が、循環器領域で最も頻度の高い不整脈である「心房細動」と、それに翻弄される患者たちの深層心理を鮮やかに描き出しました。スタンフォード大学の研究チームが発表したこの論文は、単なるデータ解...