心拍/不整脈

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アスリートにおける心電図異常

序論 競技アスリートの心臓は、強度の高いトレーニングによって電気的・構造的・機能的な適応を示します。その結果、心電図(ECG)にはしばしば非アスリートには見られない特徴的な変化が出現します。洞性徐脈や房室伝導遅延、T波陰転といった所見は、病...
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私たちが宇宙を旅する未来は、もう目前に迫っている!宇宙飛行と心血管系の生理変化

はじめに 有人宇宙探査は、かつて国家主導の壮大なプロジェクトでしたが、近年は民間企業の参入により新たな局面を迎えています。月面滞在や火星探査といった長期宇宙滞在が現実味を帯びるなかで、最も大きな課題の一つが人体への影響です。特に心血管系は重...
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GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドと起立性頻脈症候群(POTS)の悪化

序論 近年、肥満症に対する薬物治療は急速に普及しており、その中心的役割を果たしているのがGLP-1受容体作動薬や、さらに進化した二重作動薬であるチルゼパチドです。チルゼパチドは、GLP-1(glucagon-like peptide-1)と...
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洞不全症候群の薬物治療の新たな選択肢?GLP-1受容体作動薬

序論:GLP-1受容体作動薬の二面性 グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は、2型糖尿病や肥満の治療において大きな進歩をもたらしてきました。臨床試験では、主要心血管イベントを14%減少させ、全死亡率を12%低下させること...
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洞不全症候群の薬物治療 テオフィリンとシロスタゾール 

序論 洞不全症候群(sick sinus syndrome, SSS)は高齢者を中心にみられる徐脈性不整脈であり、疲労、めまい、呼吸困難、失神といった症状を呈します。第一選択の治療は恒久的ペースメーカー植込みであり、生命予後や失神予防におい...
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歳をとるとなぜ洞結節機能が低下するのか?

序論 心臓の拍動は生涯に20億回以上繰り返され、その律動を支えるのが洞房結節(sinoatrial node: SAN)です。しかし、加齢とともにこの主要なペースメーカーの機能は低下し、洞不全症候群(sinus node dysfuncti...
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洞不全症候群と生活習慣 ― 洞不全症候群を予防することはできるのか?

序論 洞不全症候群(Sick Sinus Syndrome, SSS)は洞結節の機能不全により発症する重篤な不整脈です。洞性徐脈や洞停止、発作性心房細動など多彩な臨床像を呈し、重症例では失神や突然死のリスクを伴います。発症の中心は加齢に伴う...
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洞不全症候群と心房細動の双方向性関係

はじめに 洞不全症候群(sick sinus syndrome, SSS)は洞結節の機能障害によって徐脈や洞停止を呈する病態ですが、その臨床的意義は単なる徐脈にとどまりません。特に心房細動(atrial fibrillation, AF)と...
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洞不全症候群とは

はじめに 歌手の美川憲一さん(79歳)が「洞不全症候群(SSS: Sick Sinus Syndrome)」と診断され、ペースメーカー植込み術を受けたことを公表しました。 美川憲一が「洞不全症候群」を公表 ペースメーカー取り付け手術も報告「...
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心房細動に対する極低用量アミオダロン(50 mg/日)の長期安全性と臨床的意義

はじめに 心房細動(AF)のリズムコントロールは、肺静脈隔離術を中心とするカテーテルアブレーションの普及によって大きな進歩を遂げてきました。しかし、特に持続性AFでは再発率が高く、慢性的な基質の変化を伴うため、アブレーション単独では十分な成...