心拍/不整脈

女性医療

トランスジェンダー医療とQT間隔

はじめに トランスジェンダー医療は過去10年間で急速に発展し、現在では若年成人人口の0.5〜3.2%を占めると推定されています。性別適合ホルモン療法(gender-affirming hormone therapies ; GAHT)は、ト...
心拍/不整脈

左脚ブロック(LBBB)と心不全リスク

なぜ左脚ブロック(LBBB)が問題か LBBBは心不全(HF)と低左室駆出率(LVEF)を有する患者で死亡率上昇と結びつき、再同期療法(CRT)が有効であることはよく知られています。一方で、無症候の地域在住者で偶発的に見つかるLBBBが、そ...
心拍/不整脈

日本における山岳遭難死の実態 心臓突然死の頻度は?

はじめに  登山ブームが定着した日本では、年間およそ1,100万人がレクリエーション目的で山岳地域を訪れていると報告されています(2015年時点)。その一方で、毎年300人以上が命を落としており、その大半は警察による山岳救助の対象者です。本...
心拍/不整脈

アスリートの最大心拍数と有酸素運動:心血管と神経系の適応

はじめに:なぜ最大心拍数の変化が重要なのか 最大心拍数(Maximum Heart Rate:MHR)は、運動強度を定量化し、トレーニングの個別化を進めるうえで不可欠な指標です。従来、MHRは「220−年齢」という単純な算出式に基づいて推定...
心拍/不整脈

高齢高血圧患者における累積安静時心拍数と心血管イベント・全死亡リスクの関係

研究の背景と意義 心血管疾患(CVD)は依然として世界の主要な死因であり、高血圧はその最も重要な修正可能な危険因子です。これまでの研究では、単一の安静時心拍数(RHR;Resting Heart Rate)測定値と心血管リスクの関連が報告さ...
中枢神経・脳

不整脈発症後、認知症の進行が加速する:16年間の縦断コホート研究

はじめに 加齢とともに増加する心房細動などの不整脈は、脳卒中や認知症といった重大な転帰と関連していることが数多くの研究で示されています。なかでも、心房細動が脳血流の変動や微小塞栓を介して認知機能に影響を及ぼす可能性が注目されてきました。こち...
心拍/不整脈

心室頻拍に対する心外膜アクセス:冠静脈穿刺とCO₂注入

はじめに 心室頻拍(VT)に対するアブレーション治療は、電気生理学の進歩とともに確実な治療選択肢として位置付けられてきました。しかし、心筋瘢痕を基盤とするVTでは、しばしば心内膜アプローチのみでは不十分であり、心外膜(エピカルジアル)からの...
心拍/不整脈

カテーテルアブレーションに伴う冠動脈損傷

はじめに 心臓不整脈治療におけるカテーテルアブレーションは、心房細動や心室性不整脈など幅広い不整脈に対して高い有効性を示す治療法です。しかしながら、この手技には冠動脈損傷というあまり注目されてこなかった重篤な合併症のリスクが潜在しています。...
中枢神経・脳

心房細動アブレーションで認知症予防;拍動とグリアリンパ系(glymphatic system)

はじめに  心房細動(AF)は、脳卒中や死亡のリスク要因として知られていますが、近年は脳卒中がなくても認知症や軽度認知障害のリスクを上昇させることが報告され、臨床上の注目が高まっています。また、AFが全原因性認知症や血管性認知症のみならず、...
心拍/不整脈

ペースメーカー植込みを要した元アスリート:持久系アスリートと徐脈性不整脈

はじめに:アスリートの徐脈は本当に“生理的”か? 運動生理学の教科書において、アスリートに見られる徐脈や軽度の房室(AV)ブロックは、心臓が高い効率をもって拍出を担う結果としての「良性の適応」と記載されています。特に持久系スポーツにおいては...