脂質代謝

アンチエイジング

スタチンは「虚弱/フレイル予防薬」か?

はじめに スタチンは、LDLコレステロールを下げ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを下げる薬として使われてきました。ところが今回の研究が問いかけているのは、もっと広いテーマです。スタチンは高齢者の「フレイルになりにくさ」にも関係するのか、という問い...
脂質代謝

量から質へのパラダイムシフト:動脈硬化を裏で支配するsmall dense LDL コレステロール

動脈硬化における残余リスクの真犯人 心血管疾患は依然として世界の主要な死因であり、その主要な基盤病態である動脈硬化をいかに抑制するかは、現代医学における最大のテーマの一つです。長年にわたり、高コレステロール血症、とりわけ低比重リポタンパク質...
脂質代謝

痩せているのに糖尿病が忍び寄る:非肥満日本人女性の筋肉減少が膵β細胞を追い詰める

はじめに 日本の医療現場において、BMIが正常、あるいはむしろ痩せ型に分類される女性が、健康診断で不意に耐糖能異常や2型糖尿病と診断されるケースは珍しくありません。肥満を伴わないにもかかわらず、なぜ彼女たちの糖代謝プロファイルは悪化してしま...
脂質代謝

若年女性のスリムな足腰の罠

はじめに:スリムな体型に隠された東アジア人の代謝的脆弱性 肥満や内臓脂肪の過剰な蓄積がインスリン抵抗性を引き起こし、タイプ2糖尿病や心血管疾患のリスクを高めることは、現代の代謝学における定説となっています。しかし、私たち東アジア人、とりわけ...
脂質代謝

経口PCSK9阻害薬:Laroprovstat ラロプロブスタット

はじめに 脂質管理の歴史において、Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9;PCSK9の発見と阻害薬の開発は、最大級のイノベーションです。しかし、強力なLDLコレステロール(LDL-C)低下...
脂質代謝

HDL-C変動性と末梢動脈疾患リスク 

はじめに 末梢動脈疾患(PAD)は、時に「沈黙の病」と呼ばれます。冠動脈疾患や脳卒中と同じ動脈硬化のプロセスを辿りながらも、PADはその認識の低さから、発見が遅れ、重症化するまで放置される傾向にあります。しかし、その背後には広範な動脈硬化が...
脂質代謝

冠動脈疾患におけるPCSK9阻害薬単剤療法

はじめに 冠動脈疾患は、現代社会における極めて深刻な健康課題であり、世界中で約1億9700万人もの人々がその脅威に直面しています。脂質異常症、とりわけ低密度リポタンパク質コレステロール(LDLコレステロール)の持続的な上昇が、動脈硬化を急速...
脂質代謝

脂質管理のパラダイムシフト:ApoB目標値導入がもたらす医療経済的インパクト

はじめに 動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の予防において、私たちは長年、悪玉コレステロールとして知られるLDLコレステロール(LDL-C)の値を絶対的な指標としてきました。しかし、現代の脂質管理は、単なるコレステロールの質量管理から、病因...
がん、悪性腫瘍

中性脂肪の高値は、がんのサインかもしれない

はじめに 現代社会において、中性脂肪は心血管疾患のリスク因子としての側面ばかりが強調されてきました。しかし、2026年に発表された最新の知見は、私たちの視座を大きく変えることになります。日本の全身がん検診プログラムの精緻なデータを分析した結...
脂質代謝

脂質リスクは「男女同じものさし」で見てよいのか:LDL・apoB・Lp(a)・中性脂肪の性差

はじめに 脂質異常症の診療では、LDL-Cが高いか、HDL-Cが低いか、中性脂肪が高いか、という数値にどうしても目が向きます。もちろん、それは間違いではありません。LDL-CやapoBを含む動脈硬化惹起性リポ蛋白が、冠動脈疾患を中心とした心...