食事 栄養

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「ゆっくりよく噛んで食べる」ためには、どうすれば良いのか?

序論 肥満や生活習慣病の予防において、「食事のスピード」や「咀嚼の程度」が重要な行動因子であることは、多くの疫学研究によって示されてきました。例えば、食べる速さと肥満(BMI≧25.0)の関係や、咀嚼回数を増やすことによる満腹感の促進などが...
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超加工食品(UPF)がもたらす人類の健康危機

はじめに:人類の食生活における新たなパラダイムシフト 現代の栄養疫学において、「何を食べるか」という議論は、単一の栄養素や特定の食品群を超え、「食品がどのように加工されたか」という、より根源的な問いへと深化しています。この議論の中心にあるの...
食事 栄養

トマトの健康効果と季節性。トマトケチャップ、トマトジュースは?

序論 トマトは、医療・栄養学の世界で長らく「抗酸化食品の代表」として扱われてきました。リコピン、β‐カロテン、ビタミン類、食物繊維など、多様な生理活性成分を含み、抗炎症作用、抗酸化作用、抗動脈硬化作用の報告は枚挙にいとまがありません。しかし...
食事 栄養

無塩トマトジュースが示す心血管保護効果

序論:加工品としての「ジュース」の常識を覆すエビデンス 一般に「果汁ジュースは健康に良くない」という通念が広く浸透しています。食物繊維が減り、吸収が速く、糖負荷が過大になるという指摘は確かに多くの果実飲料に当てはまります。しかし、今回レビュ...
食事 栄養

英国飲料におけるマイクロプラスチック曝露の現実 2025

はじめに 私たちが日常的に口にするコーヒー、紅茶、ジュース。そのどれもが「安全」だと信じて疑わないものです。しかし2025年に発表されたAl-Mansooriらの研究は、この日常の飲み物の中に「合成マイクロプラスチック(MPs)」が普遍的に...
食事 栄養

飲料中のマイクロ・ナノプラスチック汚染 「環境問題」から「食品安全」 へ

序論 私たちが毎日手に取るペットボトルの水やコーヒー、炭酸飲料。その中に、目には見えないほど微細なプラスチック粒子が含まれていることをご存じでしょうか。マイクロプラスチック(MPs, <5mm)およびナノプラスチック(NPs, 1–100n...
生活環境

マイクロプラスチックと人体:見えない侵入者がもたらす健康影響

はじめに 私たちの生活を支えるプラスチックは、今やあらゆる環境に浸透しています。2020年の世界のプラスチック生産量は4億3500万トンに達し、2000年の約2倍に増加しました。さらに2040年には70%の増加が見込まれており、その影響は環...
食事 栄養

胎児期から幼少期にかけての砂糖制限と成人期の心血管疾患リスク

序論 砂糖摂取の増加は、肥満、糖尿病、心血管疾患といった生活習慣病の主要な原因のひとつです。現在の各国の栄養ガイドラインでは、「フリーシュガー(砂糖や添加糖)の摂取はなるべく控えるべき」とされています。世界保健機関(WHO)は総エネルギーの...
脂質代謝

飽和脂肪酸と健康:栄養素から食品ベースの視点へ

はじめに 飽和脂肪酸(saturated fatty acids, SFA)は長らく「心血管疾患の主要な危険因子」とみなされ、米国をはじめとする多くの食事ガイドラインで総摂取エネルギーの10%未満に制限するよう推奨されてきました。しかし、本...
食事 栄養

動物性・植物性たんぱく質摂取と死亡リスクに関する再検証 ― NHANES III解析からの新知見

はじめに 近年、たんぱく質摂取の健康影響について議論が続いています。特に動物性たんぱく質は、がんや心血管疾患(CVD)のリスクを高めるのではないかという懸念が繰り返し提示されてきました。一方で、植物性たんぱく質の摂取は健康長寿に資するとの報...