食事 栄養

食事 栄養

塩分と血圧の深い関係

はじめに ナトリウム(Na)は生命維持に不可欠な陽イオンであり、その恒常性維持は生体内の電解質バランス、細胞外液量(ECF)、さらには血圧に直結しています。EllisonとWellingは、腎臓によるNa排泄制御を中心に、皮膚や免疫系などの...
心臓血管

食塩・ナトリウム摂取量と心血管疾患、血圧の関連を示した臨床試験

疫学研究(コホート研究)の知見 疫学研究、特に前向きコホート研究では、食塩・ナトリウム摂取量と心血管疾患リスクの関連が比較的一貫して示されています: Strazzulloらによる13の前向き研究(約17.7万人)のメタ分析では、高い塩分摂取...
医療全般

過剰な食塩摂取を避けるべきだが、個人の努力では難しい

はじめに:食塩は「白い毒」か、それとも必要不可欠な栄養か 食塩(NaCl)は人類にとって不可欠な栄養素であり、文化や歴史の中でその重要性が語られてきました。しかし現代においては、この必須ミネラルの「過剰」が深刻な健康問題を引き起こしています...
中枢神経・脳

低亜鉛、銅、マンガン摂取と抑うつ・不安症状の関連:日本の労働者を対象とした横断研究

はじめに:心の健康とミネラル摂取の新たな接点 うつや不安といった精神疾患は、近年ますます社会的関心が高まっている健康問題です。特に労働世代においては、精神的不調が労働生産性の低下や職場離脱の原因となり、個人のみならず組織や社会全体への影響が...
食事 栄養

心不全患者における亜鉛欠乏と死亡リスク

はじめに:見過ごされてきたミネラルが予後を左右する? 心不全(heart failure:HF)は世界中で主要な死因のひとつであり、その罹患率と医療負担は年々増加しています。特に5年生存率は50〜75%と依然として厳しい状況が続き、管理の最...
食事 栄養

炭水化物摂取と健康的老化(healthy aging)

はじめに:高齢化時代における食事の意味 アメリカでは今後40年以内に高齢者人口が倍増すると予測されており、その中で慢性疾患、身体・認知機能の低下、メンタルヘルスの問題など、複雑な健康課題が顕在化しています。こうした背景のもと、食事の質が健康...
食事 栄養

食品リテラシーと食事動機が食事の質と肥満に与える影響

この研究は、食品リテラシー(食に関する知識・技能・行動)と食事動機(食べる理由や動機)が、食事の質と肥満(一般的な肥満と腹部肥満)にどのように関連しているかを包括的に調査しています。
生活環境

南米先住民ツィマネ(Tsimane)族における冠動脈硬化の驚異的な低頻度―生活様式と心血管健康の深い関係

はじめに 冠動脈疾患(CAD)は依然として世界的な死亡原因の上位を占めており、その発症には高LDLコレステロール、高血圧、糖尿病、喫煙など、よく知られた危険因子が関与しています。これまでの疫学的研究では、これらの因子がCAD全体の90%以上...
食事 栄養

健康的な食事:2025-2030年アメリカ食事ガイドラインの進歩と課題

はじめに 米国政府が5年ごとに更新する「Dietary Guidelines for Americans(DGA)」は、単なる栄養の指針ではありません。学校給食、WIC(女性・乳児・子ども向け特別補助栄養プログラム)、軍の給食、そして連邦栄...
食事 栄養

食事のタイミングが代謝に与える影響、Big-Breakfast Diet(十分な朝食)

食事のタイミングが単なるカロリー摂取だけでなく、体内の概日時計遺伝子(circadian clock genes, CGs)や腸内細菌叢(gut microbiome, GM)のリズムと密接に関係し、エネルギー代謝や血糖コントロールに大きな影響を与える