心拍/不整脈

歳をとるとなぜ洞結節機能が低下するのか?

序論 心臓の拍動は生涯に20億回以上繰り返され、その律動を支えるのが洞房結節(sinoatrial node: SAN)です。しかし、加齢とともにこの主要なペースメーカーの機能は低下し、洞不全症候群(sinus node dysfuncti...
心拍/不整脈

洞不全症候群と生活習慣 ― 洞不全症候群を予防することはできるのか?

序論 洞不全症候群(Sick Sinus Syndrome, SSS)は洞結節の機能不全により発症する重篤な不整脈です。洞性徐脈や洞停止、発作性心房細動など多彩な臨床像を呈し、重症例では失神や突然死のリスクを伴います。発症の中心は加齢に伴う...
心拍/不整脈

洞不全症候群と心房細動の双方向性関係

はじめに 洞不全症候群(sick sinus syndrome, SSS)は洞結節の機能障害によって徐脈や洞停止を呈する病態ですが、その臨床的意義は単なる徐脈にとどまりません。特に心房細動(atrial fibrillation, AF)と...
心拍/不整脈

洞不全症候群とは

はじめに 歌手の美川憲一さん(79歳)が「洞不全症候群(SSS: Sick Sinus Syndrome)」と診断され、ペースメーカー植込み術を受けたことを公表しました。 美川憲一が「洞不全症候群」を公表 ペースメーカー取り付け手術も報告「...
心拍/不整脈

心房細動に対する極低用量アミオダロン(50 mg/日)の長期安全性と臨床的意義

はじめに 心房細動(AF)のリズムコントロールは、肺静脈隔離術を中心とするカテーテルアブレーションの普及によって大きな進歩を遂げてきました。しかし、特に持続性AFでは再発率が高く、慢性的な基質の変化を伴うため、アブレーション単独では十分な成...
心臓血管

救急車の接触事故により急性心筋梗塞患者の搬送が遅れ不幸な転機を辿った事例

2025年8月9日、循環器内科医として大変気になる事例、報道がありました。 病院到着20分遅れ搬送男性死亡 救急車が接触事故、愛知・小牧(共同通信) 愛知県小牧市消防本部は9日、胸の痛みを訴えた70代男性患者を搬送していた救急車が、トラック...
Uncategorized

「老害」とは?その定義と性差

老害とは? 「老害」という言葉は日常的によく使われますが、学術的に厳密な定義を持つ専門用語ではありません。むしろ日本社会で生まれた俗語・社会文化的概念であり、高齢者が周囲に悪影響を及ぼす言動や態度を批判的に指す表現です。 一般的な定義  「...
生活環境

空気清浄機で降圧対策

はじめに 大気汚染、特に微小粒子状物質(PM2.5((Particulate Matter))など)は、心血管疾患のリスク因子として国際的に注目されています。なかでも血圧上昇は、比較的早期に観察できる健康影響として知られています。今回ご紹介...
血圧

降圧薬の降圧効果を高めるには、増量か?併用か?

はじめに 高血圧は世界的に最も重要な修正可能なリスク因子の一つであり、心筋梗塞、脳卒中、心不全など多様な心血管疾患の背景に存在します。収縮期血圧が1 mmHg低下するだけで、将来の心血管イベントリスクが約2%減少すると報告されていることから...
心拍/不整脈

心房細動アブレーション後の抗凝固療法は本当に必要か?

はじめに 心房細動(atrial fibrillation: AF)は最も頻度の高い不整脈であり、脳卒中の主要な原因の一つです。カテーテルアブレーションは洞調律維持やQOL改善に有効である一方で、長期的な抗凝固療法の必要性については依然とし...