食事 栄養

ダイエットとしてのファスティング(断食)、どのやり方が最も優れているのか?RCT99件を統合したメタ解析

はじめに 現代の食環境では、飽食こそが生活習慣病の温床となっています。これに対抗する手段として、古来から断食が注目されてきました。中でも近年、科学的文脈で再評価されているのが「間欠的断食(intermittent fasting:IF)」で...
血圧

コントロールに難渋する高血圧(抵抗性高血圧)の評価と管理

抵抗性高血圧の定義と疫学的意義 抵抗性高血圧(Resistant Hypertension: RHTN)は、最大耐用量またはほぼ最大耐用量の3種類の降圧薬(うち1つは利尿薬)を使用しても目標血圧を達成できない状態、あるいは4種類以上の降圧薬...
心拍/不整脈

アスリートの最大心拍数と有酸素運動:心血管と神経系の適応

はじめに:なぜ最大心拍数の変化が重要なのか 最大心拍数(Maximum Heart Rate:MHR)は、運動強度を定量化し、トレーニングの個別化を進めるうえで不可欠な指標です。従来、MHRは「220−年齢」という単純な算出式に基づいて推定...
生活環境

光曝露と心臓迷走神経活動の関係

はじめに ヒトの生理と行動は光の影響を強く受けています。視覚的刺激としての光に加えて、光は内分泌系や自律神経系を介して睡眠、情動、覚醒状態をも制御します。近年、特に注目されているのが「光曝露による心臓迷走神経活動(cardiac vagal...
Digital Health

AIによる心エコー自動解析システム「PanEcho」

はじめに:心エコーの進化とAIの可能性 心エコー検査(transthoracic echocardiography:TTE)は、非侵襲的に心臓構造と機能を把握できる重要な検査手段であり、米国だけでも年間750万件以上が実施されています。しか...
心拍/不整脈

高齢高血圧患者における累積安静時心拍数と心血管イベント・全死亡リスクの関係

研究の背景と意義 心血管疾患(CVD)は依然として世界の主要な死因であり、高血圧はその最も重要な修正可能な危険因子です。これまでの研究では、単一の安静時心拍数(RHR;Resting Heart Rate)測定値と心血管リスクの関連が報告さ...
ポジティブ心理学

通勤と主観的幸福感・メンタルヘルスの関連性

はじめに 現代社会において、通勤は多くの人々の日常生活に深く根付いた習慣的行動です。英国労働組合会議(TUC)の報告によれば、2009年時点で英国南東部の労働者は、前年比31時間も通勤時間が増加しています。このような時間的負担は、人々の主観...
心臓血管

心筋梗塞後の予後管理における「便秘」

はじめに:心筋梗塞後の転帰を左右する新たな因子とは 心筋梗塞(myocardial infarction: MI)は、急性期の救命率が改善してきた一方で、退院後の慢性期管理がその後の予後を大きく左右する疾患です。特に心不全(heart fa...
糖尿病関連

成人2型糖尿病の診断と治療:最新のエビデンスに基づく総説

はじめに 2型糖尿病は、インスリン抵抗性を背景とした膵β細胞からのインスリン分泌の進行性低下を特徴とする代謝疾患です。2025年JAMA誌に発表されたKalyaniらの総説によれば、世界で5億8900万から8億2800万人が2型糖尿病を患っ...
睡眠

睡眠不足が意思決定に与える影響

はじめに:睡眠と認知機能の密接な関係 睡眠は単なる休息ではなく、記憶の定着、感情の調節、免疫機能の維持など、生命維持に不可欠な生理的プロセスです。成人では7-9時間の睡眠が推奨されていますが、世界の成人の少なくとも3分の1がこの基準を満たし...