肥満

肥満の脂肪分布:全身の「脂肪デポ」が放つ化学物質が心血管を蝕むメカニズム

はじめに 私たちはこれまで、脂肪組織を単なる余剰エネルギーの貯蔵庫、あるいは体重を増やす厄介者として捉えがちでした。しかし、近年の内分泌学および循環器医学の進展は、その常識を完全に覆しました。脂肪組織は、全身の代謝や心血管系の恒常性をコント...
心臓血管

心臓を包む脂肪「心外膜脂肪組織(EAT)」と心不全

はじめに 現在、世界中で6400万人以上の人々が心不全という重大な症候群に直面しています。心不全は、左室駆出率(LVEF)の数値によって、40%未満のHFrEF、41%から49%のHFmrEF、そして50%以上のHFpEFという3つのサブタ...
肥満

真に注視すべき「臨床的肥満」:BMIの終焉

序文:体重計という名の盲目 私たちは長らく、身長と体重の比率から算出されるBMI(体格指数)を、健康の絶対的な物差しとして扱ってきました。しかし、BMIは体脂肪の直接的な測定値ではなく、筋肉量や脂肪の分布、そして何より「その脂肪が実際に体に...
脂質代謝

脂肪組織の情報ネットワーク:単なるエネルギーの貯蔵庫ではない

はじめに 私たちの体内で、脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵庫として静かに佇んでいるわけではありません。近年の分子生物学の進歩により、脂肪組織は全身の代謝を動的に制御する巨大な内分泌臓器であることが分かってきました。そして今、肥満や糖尿病とい...
依存症

1日2杯のビールで肝障害・アルコール関連肝疾患

はじめに お酒は百薬の長、あるいは日々のストレスを解消するための最良のパートナーと思われていないでしょうか。しかし、最新の医学研究は、私たちが「これくらいなら大丈夫」と考えている飲酒量が、知らず知らずのうちに肝臓を破壊している現実を突きつけ...
女性医療

中高年女性へのテストステロン投与

はじめに 近年、米国をはじめとする海外のメディアにおいて、あるホルモンの話題が沸騰しています。それこそが、従来は男性ホルモンとして知られていたテストステロンです。閉経期や更年期を迎えた女性たちの間で、性欲の減退、エネルギーの低下、さらには認...
心拍/不整脈

肥満の脂肪が心臓の電気回路を狂わせる危険なメッセージを日々発信している

はじめに 飽食の時代を迎えた現代社会において、肥満は単なる体型の変化にとどまらず、生命を脅かす数々の循環器疾患の温床となっています。世界中で約25億人が肥満に直面している現在、臨床の現場で特に注目を集めているのが、心房細動をはじめとする不整...
血圧

小児期の加糖飲料が成人期の高血圧リスクを上げる

はじめに 「果糖は体に悪いのか?」という問いは、少し粗すぎます。今回の論文が示しているのは、果糖そのものを単純に悪者にする話ではありません。問題は、果糖を「何から摂っているか」です。 砂糖入り飲料、果汁、果物はいずれも果糖を含みます。しかし...
心拍/不整脈

心房細動の「不規則性」が心室不整脈を助長する

はじめに 日々の臨床において、心房細動は主に心房の疾患として捉えられ、その管理は脳梗塞予防と心不全管理に主眼が置かれがちです。しかし、臨床データの奥底には、ある厳然たる事実が隠されています。心房細動患者における最大の死因は、実は心臓突然死な...
心臓血管

心エコーの大動脈と心室中隔の「角度」は慢性高血圧の足跡か

はじめに 診察室で測る血圧は、その瞬間の断面です。家庭血圧も、日々の変動をよく反映します。しかし、私たちが本当に知りたいのは、もう少し長い時間軸です。 この人の血管は、何年くらい高い圧にさらされてきたのか。高血圧は本当にコントロールされてい...