医療全般

CT検査を受けることによる発がんリスク:最新エビデンス

はじめに:有用性の裏に潜むリスク CT(コンピューター断層撮影)は、現代医療において欠かせない診断ツールの一つです。外傷評価やがんの進行度診断、心血管疾患の検出まで、あらゆる場面で威力を発揮します。その利用は増加の一途をたどっており、米国で...
Digital Health

睡眠の連続性と規則性が高齢者の認知機能に与える影響:Oura Ringを用いた解析

はじめに 加齢とともに認知機能が低下するのは自然な現象とされていますが、生活習慣のなかでも「睡眠」は、その進行に影響を与える最も重要な要因の一つです。近年では睡眠と認知機能の関連がさまざまな研究で示唆されていますが、その多くは単一の睡眠指標...
食事 栄養

炭水化物摂取と健康的老化(healthy aging)

はじめに:高齢化時代における食事の意味 アメリカでは今後40年以内に高齢者人口が倍増すると予測されており、その中で慢性疾患、身体・認知機能の低下、メンタルヘルスの問題など、複雑な健康課題が顕在化しています。こうした背景のもと、食事の質が健康...
脂質代謝

“善玉”コレステロールのHDL-Cが正常値や高値であっても、それは機能不全HDLで「善玉」ではないかもしれない。

はじめに:HDLの多面的な役割 高密度リポ蛋白(High density lipoprotein;HDL)は従来、「善玉コレステロール」として知られ、動脈硬化に対する保護作用を持つと考えられてきました。HDL粒子とその主要な構成タンパク質で...
脂質代謝

高密度リポ蛋白(HDL)の多様性と逆コレステロール輸送における機能役割

はじめに 高密度リポタンパク質(High density lipoprotein;HDL)は長年「善玉コレステロール」として知られ、血中濃度が高いほど心血管疾患リスクが低いことが疫学的に示されてきました。しかし近年、HDLの「量」だけでなく...
脂質代謝

HDLの分類と組成(医療者向け)

高密度リポタンパク(High density lipoprotein;HDL)は、長らく「善玉コレステロール」として知られ、動脈硬化抑制に関与する主要な血漿リポタンパクの一つです。その抗動脈硬化作用は、単なる血中HDLコレステロール(HDL...
脂質代謝

HDLコレステロールは、本当に「善玉」なのか?

はじめに ― “善玉”とされるHDLの再評価 長年にわたり、「高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)」は動脈硬化から身体を守る“善玉”コレステロールとして知られてきました。しかし、HDL-Cの上昇が必ずしも心血管リスクの低下と一致...
脂質代謝

LDL-C/HDL-C比(LH比)を活用することでより精度の高い冠動脈疾患リスク層別化が可能になる

はじめに 冠動脈疾患(CHD)は依然として世界的な死亡原因の上位を占めており、その発症メカニズムの根幹には動脈硬化があります。これまで、LDL-C(低比重リポタンパクコレステロール)やHDL-C(高比重リポタンパクコレステロール)といった単...
生活環境

ゴルフ場周辺居住とパーキンソン病リスク

はじめに ゴルフは心身の健康に良いスポーツとして知られています。しかし、その舞台となるゴルフ場の維持には多量の農薬が用いられており、周辺環境への影響が懸念されています。特に近年注目されているのが、パーキンソン病(Parkinson dise...
性行為関連

性活動が心血管系に及ぼす影響

序論:性活動と心血管リスクの歴史的議論 性活動が人間の健康、特に心血管系に及ぼす影響については、長年にわたり議論が続けられてきました。1950年代から報告されている「性交関連突然死」の症例は、心疾患を持つ多くの患者に不安を与え、生活の質(Q...