心臓血管

心血管疾患予防における「炎症」の重要性

はじめに 長年、心血管疾患(CVD)予防の主戦場は低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の低下にありました。しかし、強力なスタチン療法によってLDL-Cを極限まで下げてもなお、再発を繰り返す患者が絶えません。2025年に発表されたACC...
Digital Health

100万人のデータから見るソーシャルメディア、SNSと睡眠の関係

はじめに 現代社会において、ソーシャルメディア、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)はもはや単なるコミュニケーションツールではなく、若年層のアイデンティティ形成や社会生活における不可欠なインフラとなっています。しかし、この利便性と引...
生活環境

自然光が降り注ぐ窓辺で過ごすと、糖尿病予防・治療になる?

はじめに 現代社会において、人類は全時間の80パーセントから90パーセントを室内で過ごすという、生物学的歴史において極めて異質な環境に身を置いています。特にオフィス環境における光刺激の欠乏は、中枢時計と末梢組織の同期を乱し、糖尿病をはじめと...
血圧

超高齢者(80歳以上)における高血圧管理

はじめに 本稿では、2025年の最新エビデンスに基づく「超高齢者(80歳以上)における高血圧管理」のパラダイムシフトについて、学術的背景から分子生物学的メカニズム、そして臨床現場での実践的なアプローチまでを統合的に解説します。 血管老化の生...
心臓血管

大動脈瘤は単なる血管の拡張ではなく、プラーク内のマクロファージが引き起こす「血管壁の侵食」である

はじめに 静かなる殺し屋、大動脈瘤。それは血管壁が長い時間をかけて脆弱化し、大動脈が突如として決壊、失血死へと至る最悪のシナリオを秘めた疾患です。これまで、遺伝性疾患を除けば、動脈硬化、高血圧、そして何よりも喫煙が強力なリスク因子として知ら...
中枢神経・脳

脳脊髄液システムの深淵

はじめに 私たちの頭蓋骨と脊柱の中には、無色透明な液体が絶えず循環し、脳と脊髄を文字通り浮遊させています。脳脊髄液(CSF)と呼ばれるこの液体は、単なる物理的なクッションではありません。それは、中枢神経系(CNS)の恒常性を維持し、代謝廃棄...
歯科

心房細動、糖尿病、歯周病 三者の相互作用

はじめに 現代医学において、心房細動(AF)は単なる電気生理学的な異常ではなく、慢性炎症を基盤とした心筋リモデリングの結果であるという認識が定着しています。特に高齢者において、心房細動と糖尿病(DM)の併発は珍しくありません。糖尿病が全身の...
心拍/不整脈

アスリートの徐脈、スポーツ心臓は「才能」だった?

はじめに 持久系アスリートの身体が示す生理的適応の中でも、安静時心拍数の著しい低下、いわゆる「アスリート徐脈」は古くから医学的関心の対象となってきました。一般的には、トレーニングによる迷走神経緊張の亢進や、洞結節のリモデリングなどがその主因...
心拍/不整脈

心拍変動(HRV)は、HPA軸(視床下部-下垂体-副腎皮質系)と自律神経の連携、炎症への影響を含む、全身の適応性(アロスタシス)のバイオマーカーである

はじめに 現代社会におけるストレスの慢性的な存在は、身体的および精神的な健康に広範な悪影響をもたらすことが知られています。この複雑なストレス応答のメカニズムを非侵襲的かつ定量的に捉える指標として、心拍変動(Heart Rate Variab...
睡眠

睡眠不足や睡眠の質の低下が、食欲を司る

はじめに 睡眠不足や質の低下が肥満の独立したリスク因子であることは、疫学的に広く知られています。しかし、この関係性は単純なエネルギー消費の低下によるものではありません。実際、睡眠障害がエネルギー消費に与える影響は最小限であることが示唆されて...