最大心拍数

心拍/不整脈

運動習慣のある方は、ご自身の心拍数がどのくらい上がっているか把握できていますでしょうか。

今は、apple watchなどのウエアラブルデバイスを活用すれば、大まかには把握できますので便利です。

最大心拍数と最高心拍数

通常、運動する(運動負荷を増やしていく)につれて心拍数は上昇していきます。
しかしいくら負荷量を増やしても、それ以上心拍数が増えなくなるラインがあります。
その心拍数を「最大心拍数」と言います。

その人の洞結節(心臓のリズムをとっている部位)の刺激頻度の限界(つまりは心臓の機能の限界)であり、これは一般的には年齢とともに低下していきます。

ちなみに、理由を問わず、運動負荷を終了した時点(例えば足が疲れた)での心拍数を、その人の「最高心拍数」と言います。その時の体調や気分により大きく変動しますので固有の値ではありません。

最大心拍数を簡便に推測する式

さて、最大心拍数を簡便に推測する式(blackburn)は、


最大心拍数(/分)=220-年齢

です。
簡便故に頻用されてますがこれは40歳未満で 過小評価,40歳以上で過大評価し、誤差が大きいです。

これより精度が高いとする推定式が複数発表されていますが、概ねどれも似たり寄ったりです。例をか挙げておきます。

最大心拍数(/分)=208-0.75x年齢

最大心拍数(/分)=207-0.67x年齢

また、ちょっとだけ毛並みが異なる、こんな式も報告されています。

最大心拍数(/分)=192-0.007x年齢^2

それぞれの式で具体的な数値を計算してみると、

20歳の人なら、

220-20=200/分
208-0.75×20=193/分
207-0.67×20=193.6/分
192-0.007×20^2=189.2/分

50歳の人なら、

220-50=170/分
208-0.75×50=170.5/分
207-0.67×50=173.5/分
192-0.007×50^2=174.5/分

80歳なら、

220-80=140/分
208-0.75×80=148/分
207-0.67×80=153.4/分
192-0.007×80^2=147.2/分

性別や、身長、体重などは単独で最大心拍数に影響は与えませんが、

個人によりばらつきは大きく、標準偏差は12/分くらいのようです。

したがって、細かな数値にこだわるよりも、ざっくり傾向を把握する感じで良いでしょう。


以前勤務していた病院では、(220-年齢)の一番シンプルな式を使っていることが多かったです。

apple watchなどのウエアラブルデバイスで心拍数をモニターしている方は、ご自身の運動時の最高心拍数と上記の最大心拍数を比べてみてください。

どの程度、限界まで迫っているでしょうか?

ただし、ウエアラブルデバイスの心拍数は、大まかには把握できますが、ノイズなどで正確性はやや低いかもしれません。

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