安静時心拍数の測定方法

心拍/不整脈

安静時心拍数がその後の生命に影響する話をしましたが、その測定方法を確認しておきましょう。
研究によって微妙に測定方法は異なっていたりします。
中でも信頼できそうな方法は、ヨーロッパ高血圧学会が2006年にコンセンサス会議で提案したものでしょう。

① 静かな部屋で、少なくとも5分間、座位で安静にします。

② 30秒以上脈拍を測定します。

③ 少なくとも2回繰り返します。

この平均をとるわけですが、30-40拍の平均を取れば信頼性は確保出来るであろうとしています。
心電図で測定するとより正確になります。が、コストも手間もかかってきます。
座位では、仰臥位より心拍数は1-3拍/分早くなります。

皆様が、ご自宅で「安静時心拍数」を測定するときは、上記の①ののちにウエアラブルデバイスや、スマートフォンで測定すれば、参考になる値が得られそうです。

夜間就寝時は、一般的には副交感神経が優位になり、心拍は遅くなり、50/分を下回る人も少なくないです。

臨床研究における「安静時心拍数」は、就寝時のデータではないことがほとんどのようです。

ということで、就寝中は確かに安静ではありますが、一般的に「安静時心拍数」とは、就寝中のものではないと考えたほうが良さそうです。


【参考文献】
Palatini P, Benetos A, Grassi G, Julius S, Kjeldsen SE, Mancia G, Narkiewicz K, Parati G, Pessina AC, Ruilope LM, Zanchetti A; European Society of Hypertension. Identification and management of the hypertensive patient with elevated heart rate: statement of a European Society of Hypertension Consensus Meeting. J Hypertens. 2006 Apr;24(4):603-10. doi: 10.1097/01.hjh.0000217838.49842.1e. PMID: 16531784.

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