中枢神経・脳

中枢神経・脳

心血管保護作用を持つ血糖降下薬は認知症を防げるか?

はじめに 世界で7500万人が認知症を患うと予測される2030年に向け、予防戦略は喫緊の課題です。糖尿病はその一因であり、推計で全認知症の約5%が糖尿病に起因するとされています。一方、近年の糖尿病治療は「血糖値コントロール」だけにとどまらず...
中枢神経・脳

睡眠障害と睡眠不足における脳変化の違い(詳細版)

はじめに 睡眠は、情動制御、認知機能、身体の恒常性維持にとって不可欠な生理現象です。しかし現代社会では、慢性的な睡眠障害および急性の睡眠不足が広く蔓延しており、その影響は精神疾患の悪化、記憶障害、情動不安定性などに及びます。特に、様々な睡眠...
中枢神経・脳

「睡眠不足」と「睡眠障害」、脳への影響はどう違う?やさしく解説。

はじめに:眠れない夜の先にあるもの 夜なかなか寝つけない、不安で何度も目が覚める。そんな「睡眠の悩み」を抱えたことはありませんか? 「たかが睡眠」と思いがちですが、最近の研究で睡眠の質や量が脳に与える影響はとても大きいことがわかってきました...
中枢神経・脳

帯状疱疹ワクチンが認知症リスクを低下させる

研究の背景と重要性 近年、神経向性ヘルペスウイルスが認知症の発症に因果的役割を果たす可能性が指摘されてきました。特に、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)や単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)は、神経炎症や血管障害を引き起こし、アミロイドβの...
アルコール

GLP-1受容体作動薬;「代謝薬」から「報酬調整薬」へ

GLP-1受容体作動薬(GLP-1 receptor agonists:GLP-1RAs)が、単なる代謝調節の枠を超え、中枢神経系における報酬行動に与える影響、報酬神経系への作用、特に食行動、嗜癖行動、動機づけにおける役割を体系的に検討しています。
中枢神経・脳

息切れの知覚と脳の役割——予測が呼吸困難を形作るメカニズム

息切れの知覚が単なる生理的要因ではなく、脳の予測モデルと感覚入力の相互作用によって決定されることを示しています。従来の治療(吸入ステロイド、酸素療法など)と組み合わせて認知行動療法や神経フィードバック、環境要因の調整を用いた個別化治療が、慢性的な息切れに対して有効であることが示唆されます。
中枢神経・脳

慢性片頭痛に関する最新レビュー

片頭痛は、世界で最も一般的な神経疾患であり、世界中で10億人以上が罹患し、全世界的な疾病負担ランキング第2位に位置づけられる深刻な健康問題です。最新の研究に基づき、慢性片頭痛の診断、リスク、治療法、メカニズムについて解説します。
中枢神経・脳

アイスホッケー、コンタクトスポーツと慢性外傷性脳症(CTE)

慢性外傷性脳症(CTE)は、繰り返し頭部に衝撃を受けることによって引き起こされる神経変性疾患です。アイスホッケーのみならず、ラグビーやサッカー、アメリカンフットボールなどでもCTEの報告はあり、すべてのコンタクトスポーツに共通する知見とも言えます。
ED

PDE5阻害薬はアルツハイマー病予防の光明か?

加齢とともに誰もが恐れる病気――それがアルツハイマー病(AD)です。物忘れのレベルを超え、生活そのものが崩壊してしまうこの病気は、未だ決定的な治療法が確立されていません。しかし、最近の研究は意外な可能性を示唆しました。それは、勃起不全(ED...
中枢神経・脳

自分の鼓動を強く感じる理由 – 脳と心臓がつながり「内受容感覚(Interoception)」

夜、布団に入った時に自分の鼓動を強く感じ、不安に襲われることがしばしばあります。心配になり医療機関を受診するが、「問題ない」、「正常です」、「気にし過ぎです」、「気のせいです」などとあしらわれてしまうことも。しかし、それでも気になる、心配。...