がん、悪性腫瘍

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スタチン使用と乳がん死亡率の低下 Target Trial Emulation

序論:心血管薬ががん予後を変えるか スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)は、心血管疾患予防の基幹薬として世界中で広く使用されています。その主たる作用は、メバロン酸経路の抑制によるコレステロール合成の低下ですが、近年この経路が腫瘍細胞の増...
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スタチンと乳がん予後 systematic review/meta-analysis

序論 スタチンは世界中で数億人が服用する脂質低下薬です。HMG-CoA還元酵素を阻害し、肝臓でのコレステロール合成を抑制するという明快な作用機序を持ちながら、その効果は動脈硬化抑制を超えて、炎症・免疫・腫瘍代謝にも及ぶことが知られています。...
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身長が高いとがんになりやすい?男性のがんリスクが高いのは、高身長のせい?

はじめに 男性は多くの癌種において女性より罹患リスクが高いことが知られています。喫煙や飲酒、職業曝露といった環境要因の寄与は従来から強調されてきましたが、実際には環境因子が乏しい癌種においても一貫して男性優位の発症率が観察されてきました。こ...
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GLP-1受容体作動薬と長期的ながんリスク

序論 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は、近年の糖尿病治療と肥満治療において最も注目を集める薬剤のひとつです。血糖降下作用と体重減少効果を同時に有し、心血管疾患リスクを低減させる可能性も示されてきました。その一方で、長期的な安全性、...
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肥満、過体重成人におけるGLP-1受容体作動薬のがん予防効果

はじめに 肥満は世界的に増加し続け、心血管疾患や糖尿病のみならず、がん発症の強力なリスク因子としても知られています。米国では毎年診断されるがんの約40%が肥満関連とされ、その数は膨大です。近年、肥満治療薬として注目されているのがグルカゴン様...
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がんと心血管疾患:共通のリスク因子と統合的予防戦略

はじめに がんと心血管疾患(CVD)は、世界的な死亡の半分以上を占める二大疾患です。かつては別々の領域で論じられてきましたが、近年の知見は両者が深く絡み合い、互いに進展を促す「双方向的関係」を持つことを示しています。加齢、喫煙、肥満、糖尿病...
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がんサバイバーに潜む心血管死亡リスク:日本全国データに基づく解析

はじめに がんの治療成績が向上し、生存期間が大きく延伸する中で、「がんサバイバー」の長期的な健康リスクへの関心が高まっています。中でも心血管疾患(Cardiovascular Disease, CVD)は、がん治癒後に現れる“第2の脅威”と...