診療科の細分化
日本では良くも悪くも医療機関、クリニックが細分化されています。「内科」と言っても、（一般）内科、循環器内科、消化器内科、脳神経内科、腎臓内科、呼吸器内科、血液内科、糖尿病内科、内分泌内科、心療内科、、、、など様々な種類があります。自分の症状だと、どこの科を受診すれば良いか迷ってしまうことも少なくないと思います。とりあえず、「（一般）内科」なら良いだろう、、と思っていませんか？
「循環器」とは？「循環器疾患」とは？
「循環器」とは、主に血液を身体に循環させるための器官の総称です。心臓・血管（動脈・静脈）・リンパ管などが該当します。これらの器官の異常が「循環器疾患」です。
例えば、
・心臓の機能の異常（心不全、心筋梗塞、狭心症、心臓弁膜症、不整脈など）
・血管の異常（動脈硬化症、大動脈瘤、大動脈解離、静脈血栓症、肺塞栓症、高血圧など）
などが挙げられます。
そして、これらの異常の基礎には高血圧や高脂血症、糖尿病などいわゆる生活習慣病（生活環境病）がある場合が多いです。循環器疾患の予防のためにはこれらの管理が極めて重要です。
循環器内科を受診した方が良い症状は？
どのような症状の場合、循環器内科を受診した方が良いのでしょうか？
代表的な症状を挙げてみます。
胸が痛い、胸が苦しい
狭心症や心筋梗塞を疑う症状です。特に、胸の真ん中が締め付けられるように痛む、冷汗が出るような場合、その可能性が上がります。また、大動脈が裂けてしまう急性大動脈解離や、肺の血管に血栓が詰まる肺塞栓症の可能性もあります。いずれも「突然死」があり得る疾患であり、慎重な評価、対応が必要となります。
息苦しい、息切れ、足のむくみ
心不全を疑う症状です。何らかの理由で心臓の機能が低下した場合に、全身に血液を拍出できなくなり循環が不十分になったり、心臓のうしろに位置する肺に血液（水分）が貯留します。肺に血液が貯留すると息苦しくなります。また、静脈に血液が溜まり足が浮腫んだりします。心不全は全ての心臓病が原因となり得ます。ご高齢の方は、特に「心臓病」がなくても心不全になり得ます。徐々に悪化していくことが多いです。早期の対応が望まれます。
動悸がする（ドキドキする）
心拍が速くなったり、強くなったり、不規則になったり、飛んだり、抜けたりする症状は心臓のリズムの異常、不整脈を疑います。不整脈といってもその重症度はピンキリです。その重症度、リスクの見極めが必要です。また、「なぜ不整脈が出るのか？」その原因の評価も必要です。
めまいがする、意識が遠のく、失神した
これらの症状も心臓のリズムの異常、不整脈の可能性があります。また弁膜症など不整脈以外の心臓病が原因となる場合もあります。心臓以外の原因でこれらの症状を呈することはもちろんあるのですが、心臓が原因の場合（心原性失神）、命に関わることが少なくありません。
突然の背中の痛み
突然、背中をどつかれたような痛みを生じた場合、急性大動脈解離という命に関わる病気の可能性があります。高血圧がある人で確率が高くなります。狭心症や心筋梗塞の場合もあります。
血圧が高い、コレステロール、中性脂肪が高い、血糖が高い
動脈硬化、循環器疾患を発症するリスクが相対的に高くなります。健康診断で指摘されるなど、これらに該当する人はまずは循環器内科を受診することをお勧めします。「数値が高い＝薬の処方」ではなく、動脈硬化、心臓血管系疾患のリスクを見極め、トータルで評価し方針を決めます。
循環器内科の特殊性、緊急性
心臓という臓器、循環器という分野は、特殊性が高いです。判断を間違うと命に直結します。そして緊急性が高い場合も多いです。患者さんを前にした時、医師として、分単位、秒単位で判断、行動を迫られることも少なくありません。このような判断、行動には、知識に加えて、経験も不可欠です。
「様子見ましょう」が通用しないことが少なくないのです。内科以外の医師にとってはもちろん、内科の医師であっても、循環器を専門としていないと心臓への苦手意識を少なからず感じている場合が多いと思います。
したがって、上記のような循環器疾患を疑う症状の場合は「循環器内科」を早めに受診することをお勧めします。
目黒区、世田谷区周辺の循環器内科、循環器専門医のウェルビーイングクリニック駒沢公園
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