「感謝」で自律神経を整えよう

ポジティブ心理学

明らかな異常は指摘できないけれど、何となく心身の調子が悪い人、自律神経バランスが崩れているような人は、「3つの良いこと」」(Three good things)を試してみようという話をしました。

今回も自律神経バランスを整える可能性のある方法をご紹介致します。

「感謝する」

その方法はシンプルです。「感謝する」ことです。
具体的には、毎晩寝る前にその日にありがたいと感じたこと、感謝したことを書き出します。3つほどが目安です。

毎晩書き出すことが大変と感じる人は、週1回でも構いません。例えば日曜日の夜に、その週にありがたいと感じたこと、感謝したことを5個以内を目安に書き出します。

これを習慣化することで、

・感謝を感じやすくなる
・生活全般がよりよく感じるようになる
・ポジティブ感情が増える
・ネガティブ感情が減る
・身体的な健康状態がよくなる
・運動する時間が長くなる
・睡眠時間が長くなる

と言うようなことが期待できます。

感謝を書き出していると、感謝を探すようになり、感謝を感じやすくなり、よりポジティブになっていくと言う好循環が生まれるのでしょう。

これは、約200人の健康な大学生や、あるいは約60人ほどの慢性疾患を抱える患者さんらを対象に行った介入研究で示されました( J Pers Soc Psychol. 2003 Feb;84(2):377-89.)。
心理的な効果は2-3週間のうちにはみられるようになりますが、身体的な効果は9週間くらい継続する必要がありそうです。

なお、ここで言う身体的な効果とは、頭痛、ふらつき・めまい、胃痛、息切れ、胸痛、にきび・肌荒れ、鼻水・鼻づまり、筋肉のこり・痛み、胃もたれ・吐き気、過敏性腸、暑さ・寒さ、食欲不振、咳・喉の痛み といった症状を訴える頻度が減るということを指します。

これはまさに「自律神経」への好影響を示唆している可能性も十分ありそうです。

心身の状態がよくなると、運動する意欲も湧いてくるし、よく眠れるようにもなるのでしょう。そして、さらに心身の調子が良くなるというこれまた好循環となることが期待できます。

まとめ

「感謝する」

・ 毎日寝る前に、その日感じた「感謝」を書く(3つくらいが目安)。

面倒な人は、以下でも可。

・ 毎週1回、その週に感じた「感謝」を書く(3つくらいが目安)。

2-3週間続けることで、メンタル状態がよくなり、9週間も続けると身体的状態もよくなることが期待できます。明らかな病気は見つからないけれど、何となく心身の調子が悪く、自律神経バランスが崩れているような人は、試してみる価値はありそうです。コストゼロです。

【参考文献】

Emmons RA, McCullough ME. Counting blessings versus burdens: an experimental investigation of gratitude and subjective well-being in daily life. J Pers Soc Psychol. 2003 Feb;84(2):377-89. doi: 10.1037//0022-3514.84.2.377. PMID: 12585811.

タイトルとURLをコピーしました