「親切」で自律神経を整えよう

ポジティブ心理学

明らかな検査の異常や病気は指摘できないけれど、何となく心身の調子が悪い人、自律神経バランスが崩れているような人が、試してみると良さそうな方法を今回も提案します。お試し頂ければと思います。

「親切」にする、「親切」を数える

他者に対し親切にすると、親切にされた人の幸福度は上がるかもしれませんが、実は、むしろ親切に振る舞った自分自身の幸福度が上がります。
また、自分が他者に対し親切に振る舞った行為の数を数えると幸福度が上がります(J Happiness Stud. 2006;7(3):361-375.)。

親切な行いの数が多いほど、幸福度が高まります。
親や兄弟、近しい人への親切も、全くの他人、通りすがりの人への親切も、そして自分自身への親切も、幸福度をあげる効果は変わりません。
また、親切な行為を見たり聞いたり観察することでも幸福度は上がります。
( J Soc Psychol. 2019;159(3):340-343.)

自分が親切に振舞うことで、自分の幸福感は高まりますし、親切にされた人も助かりますし、その親切を見ていた人の幸福感も高まるという一石三鳥にもなるわけです。

親切に振舞うと幸福度が高まるのか、幸福度が高い人が親切に振舞うのか、これを調べるために、「親切な行為」の介入による無作為化比較対照試験の系統的レビュー・メタ解析が行われています(Journal of Experimental Social Psychology.2018;76:20-329)。

その結果、親切に振舞うことで幸福度が高まることが示されました。
「親切に振舞う」ことが、「幸福度を高める」という因果関係が示されたわけです。恐らく、双方向性なのだと思います。親切に振舞うことで幸福度が高まり、幸福感が高まると更に親切に振るまう、そして更に幸福感が高まるという好循環が生まれるのでしょう。親切に振舞うと「感謝」を感じやすくなることもわかっています。「感謝」することも幸福感をあげる有力な方法です。相乗効果になります。

主観的な幸福感が上がるということは、心穏やかになり、自律神経バランスも整う方向に働くことが期待できます。

上記で取り上げた研究は1週間ほどの介入研究です。1週間、親切の習慣を実践すると効果が実感できると思います。

まとめ:「親切」で自律神経バランスを整える

① 親切に振舞う(誰に対してでもOK)
② 自分が行った親切の数を数える
③ 親切の数が多いほど幸福感も上がりやすい
④ 他の人の親切な行為を観察する

これを習慣化してみてください。

【参考文献】

・Otake K, Shimai S, Tanaka-Matsumi J, Otsui K, Fredrickson BL. HAPPY PEOPLE BECOME HAPPIER THROUGH KINDNESS: A COUNTING KINDNESSES INTERVENTION. J Happiness Stud. 2006;7(3):361-375. doi:10.1007/s10902-005-3650-z

・Rowland L, Curry OS. A range of kindness activities boost happiness. J Soc Psychol. 2019;159(3):340-343. doi: 10.1080/00224545.2018.1469461. Epub 2018 May 15. PMID: 29702043.

・Oliver Scott Curry, Lee A. Rowland, Caspar J. Van Lissa, Sally Zlotowitz, John McAlaney, Harvey Whitehouse,Happy to help? A systematic review and meta-analysis of the effects of performing acts of kindness on the well-being of the actor. Journal of Experimental Social Psychology.2018;76:20-329

タイトルとURLをコピーしました