自動車運転と心拍数
自動車運転は、それなりに緊張します。
自動車運転と心拍数の関係の研究によると、通常の運転ですと、心拍数の上昇は20%(安静時心拍数60/分なら、72/分)を超えることはないようです。
しかし、交通量の多い市街地だったり、また急ブレーキや追い越しが必要な場合、心拍数上昇は、40%以上(安静時心拍数60/分なら、84/分以上)になることもあります。
パトカーに止められた時の心拍数上昇は50%を超える(安静時心拍数60/分なら、90/分以上)とのデータもあります。
これらのデータは、50年も前の海外の研究です。
今現在の東京の道路の渋滞や複雑さを考えると、運転中にははるかに大きなストレスを感じている可能性が高いのではないでしょうか。
そう仮定すると、心拍数上昇の程度も大きくなっている可能性も十分ありそうです。
心臓の悪い方の自動車運転においては、安全性のチェックが必要な場合もございます。
ちなみに、カーレーサーの心拍数は200/分になることもあるそうです。すごい。
さて、自分が運転している時よりも、助手席に座っている時の方が緊張する人もいるでしょう。運転手が不慣れな方の時はなおさらです笑。
運転手と助手席の方の心拍数
運転手と助手席の方の心拍数をモニタリングした研究があります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/5635042
Cardiovascular stress (electrocaridographic changes) produced by driving an automobile
縦軸が心拍数(拍/分)、横軸が時間(分)です。
2本のグラフは、運転手と助手席の人の心拍数です。
25分あたりの縦棒で、運転手を交代、つまり運転席と助手席を入れ替えています。
運転手と助手席の人の心拍数がほぼ一致しています。
運転手交代してもそれは変わりません。
運転手がドキドキしている時は、助手席の人もドキドキしているのです!
運転中も、parallelism!
前回、性行為中の心拍数の”parallelism”を取り上げました。
運転中も、parallelismとも言える状態です!
一緒に自動車に乗ったら、運命共同体、一心同体です。
人間の社会的生物、最小単位は2人、の一面を見た気がします。
お互いに安全運転を促し合いたいものです。
【参考文献】
Simonson E, Baker C, Burns N, Keiper C, Schmitt OH, Stackhouse S. Cardiovascular stress (electrocaridographic changes) produced by driving an automobile. Am Heart J. 1968 Jan;75(1):125-35. doi: 10.1016/0002-8703(68)90123-3. PMID: 5635042.