2人の究極のコミュニケーション「性行為」
ひとは社会的な生き物です。
その最小単位は「1人」でなく、「2人」であるという意見もあるくらいです。
人と人とのコミュニケーションには様々な形がありますが、
2人の究極のコミュニケーションは「性行為」でしょう。
以前、このブログで、性行為の頻度は、幸福感及び人生の満足度に強い正の相関を持つという話題に触れました。(ちなみに、日本人の性行為の頻度や満足度が国際的に最低レベルでしたね。。。)
2人の心身が一体となったコミュニケーション”parallelism”
60年も前の論文なのですが、大変趣深いデータがあります。
Physiologic Responses During Coitus
この研究では、3組の男女の性行為中の心拍数を観察しています。
下図は、そのうちの1組の男女の心拍数の推移です。
点線が女性、実線が男性の心拍数。
縦軸が心拍数、横軸は時間経過です。
3回(2-1, 2-2, 2-3)の性行為の記録を示しています。
A:前戯
B:挿入中
C:後戯
男女の心拍数の推移が見事なほどにほぼ一致しています。
これを著者は”parallelism”と表現しています。
まさに2人の心身が一体となったコミュニケーションという感じがして、感動さえ覚えます。
他の2組の被験者らすべての性行為がこのようにparallelismを示すわけではありません。
本当に一体感を感じる幸せなコミュニケーションの時にのみ感じるのかもしれません。
2-2を見ると、女性が前戯中にオーガズムを感じて心拍数が上がっていますが、その時の男性の心拍数は、自分が射精した時の心拍数よりも上がっています。
それほど、男性は、女性の変化に心身が揺さぶられているということであり、それは愛情の表れなのかもしれません。
心拍数は、人間関係をも示し得る深い指標ということです。
【参考文献】
Physiologic Responses During Coitus
R. G. Bartlett, JR.Journal of Applied Physiology 1956 9:3, 469-472