呼吸器疾患患者の安静時呼吸困難に対する20分間のマインドフル呼吸の急速軽減効果
小さい規模ですが、20分間の”mini-mindfulness”が呼吸困難感を軽減するという研究です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30684635
The Effect of 20-Minute Mindful Breathing on the Rapid Reduction of Dyspnoea at Rest in Patients with Lung Diseases: A Randomized Controlled Trial.
肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息患者(63人平均64歳)の呼吸困難症状に対し、
①標準治療+20分間のマインドフル呼吸群(32人 )
②標準治療のみ群(31人)
の2群にランダムに割り付けた。開始時、5分後、20分後に呼吸状態、症状を評価。
結果、呼吸困難症状の程度は5分後,20分後共に①の方が有意に軽減した。
酸素飽和度(血中酸素の量)上昇、呼吸回数低下という客観的データ向上の可能性も示唆された。更なる検証は必要だが少なくとも副作用はない。
呼吸器疾患患者の呼吸困難症状に対し、標準治療に20分間のマインドフル呼吸を追加することで症状軽減が期待できる。
マインドフル呼吸の方法
マインドフル呼吸は以下のような説明で行ってもらいます。
・心地よくする
・身体をリラックスする
・静かに目を閉じる
・ゆっくり深呼吸を2回
・それから、自然に呼吸する
・鼻を通る空気の流れに注目する
・静かに呼吸に注目する
・あなたが何かの音、体の感覚、考えや感情に気を取られている場合は、静かに自分の呼吸に立ち返る
・次の20分間自分の呼吸に注目
試す価値あり
標準治療をちゃんと施すことは極めて重要ですが、その上で試してもいいかもしれません。特に、在宅医療や、根本的な改善が難しい患者さんなどで活用する機会がありそうです。
【参考文献】
Tan SB, Liam CK, Pang YK, Leh-Ching Ng D, Wong TS, Wei-Shen Khoo K, Ooi CY, Chai CS. The Effect of 20-Minute Mindful Breathing on the Rapid Reduction of Dyspnea at Rest in Patients With Lung Diseases: A Randomized Controlled Trial. J Pain Symptom Manage. 2019 Apr;57(4):802-808. doi: 10.1016/j.jpainsymman.2019.01.009. Epub 2019 Jan 24. PMID: 30684635.