駒沢オリンピック公園 といえば、ジョギングやサイクリング、家族連れのピクニックなど、健康志向な人々で溢れる都会のオアシス。緑豊かな風景と開放感ある広場が広がり、まさに「健康のメッカ」というイメージがピッタリです。しかし、そんな駒沢公園で、毎年恒例の東京ラーメンフェスタ(2024年10月24日~11月4日)が開催されました。毎回感じますが、なんとも面白いアンバランス感が漂います。
ラーメンは、日本人が愛してやまない一品ですが、その美味しさの裏には、確実に健康面でのリスクも潜んでいます。実際に、カロリーは高く、塩分もたっぷり。過度の、脂質、糖質、塩分を含んだ「死の三重奏」と表現されることもあります。近年は「健康意識が高まっている時代」なんて言われていますが、そんな時代背景をものともせず、人々はこの不健康な食べ物を求め、フェスティバル会場に足を運びます。
その一方で駒沢公園の外周にはジョギングコースがあり、多くの人がジョギングを楽しんでいます。ラーメン会場に行くためにはジョギングコースを横切る必要があり、ジョギングをしている人が通り過ぎるのを待って、横切ることになります。不健康ラーメンを楽しもうとする人と、健康的ジョギングを楽しむ人が最も接する一瞬です。
一見、不健康なラーメンと健康的な駒沢公園が相容れないように感じるかもしれません。しかし、よくよく考えてみると、このアンバランスこそが現代社会の縮図とも言えます。人は「健康第一」と言いながらも、時には自分の心の満足や「快楽」を求め、不健康な選択をすることがあります。そして、それが「不健康の一時的なスパイス」として日常に潤いを与えているのです。
たとえば、ラーメンの脂質は脳内で「美味しい」と感じさせるホルモンの分泌を促し、幸せな気分を与えます。塩分は、舌にビビッとインパクトを与え、旨味を一層引き立てます。そして炭水化物は、食後のエネルギーを瞬時にチャージしてくれる頼れる存在。たしかに、こうした栄養成分の過剰摂取は健康リスクに繋がるものの、適度な量を楽しむことで精神的な充足感が得られるのもまた事実です。
ただし、感情的空腹に支配されるのは気をつけましょう。
結局のところ、「健康」と「不健康」のバランスを楽しむのも現代人の知恵なのかもしれません。駒沢公園でのラーメンフェスティバルは、健康的な日常の中で、少しだけ不健康な刺激を取り入れた「一服の清涼剤」のような存在です。ラーメンという不健康の象徴が、実は心の健康にも一役買っているのかもしれませんね。
最後に、大事なことは「節度」。ラーメンも日本の「文化」であり、長い歴史の中で愛されてきた嗜好品です。日々の食生活で不健康な食べ物を習慣化するのは避けつつも、たまの楽しみとして、駒沢公園の緑の中でラーメンを味わう。そんな楽しみが、私たちの日常を少しだけ豊かにしてくれるのではないでしょうか。