心臓血管

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「うっ血」とは?「鬱血性心不全」とは?その病態と診断・管理・治療

はじめに 心不全は、心臓の構造的あるいは機能的な異常によって、心臓が全身の組織や臓器に十分な血液を供給できなくなる症候群と定義されます。この病態は、単に心臓のポンプ機能の低下に留まらず、体液の調節異常を引き起こし、結果として「うっ血」という...
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収縮能が保たれた心不全(HFpEF)における運動耐容能低下の機序

序論:問題の重要性 心不全患者の約半数を占めるとされるHFpEF(Heart Failure with Preserved Ejection Fraction:左室駆出率保持型心不全)は、現代の医療における重要な課題の1つです。しばしば「心...
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無症候性大動脈弁狭窄症に対する治療介入

はじめに これまで「症状の出現」が介入の大前提とされてきた大動脈弁狭窄症(aortic stenosis: AS)に対し、今、パラダイムシフトが起きようとしています。1998年のACC/AHAガイドラインにおいては、ASに対する大動脈弁置換...
医療全般

黄砂(Asian Dust)と健康リスク

はじめに 春先、東アジアに黄色い空が訪れる現象をご存知でしょうか。アジアダスト、通称「黄砂」は、モンゴルや中国内陸部の砂漠地帯から巻き上げられた大量の鉱物粒子が、大気の流れに乗って日本や韓国、台湾を含む東アジア全域に運ばれてくる自然現象です...
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完全内視鏡下ロボット僧帽弁修復術の革新

完全内視鏡下ロボット僧帽弁修復術は、ロボット手術の新たな地平を切り開く手法です。本技術は、ポートのみ(最大8mm)を使用し、肋骨の開大を完全に回避することで、より低侵襲で精度の高い手術を可能にします。
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心筋梗塞治療における自律神経調節の新たな視点

心筋梗塞(Myocardial Infarction, MI)は、急性冠動脈閉塞による心筋壊死を特徴とする疾患です。自律神経系の役割に着目し、交感神経および副交感神経が心筋のリモデリングや再生に与える影響について掘り下げています。
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肥満合併心不全(HFpEF)におけるTirzepatide (チルゼパチド(商品名:マンジャロ))の臨床的影響

GLP-1/GIP受容体作動薬であるTirzepatide( チルゼパチド(商品名:マンジャロ))が、肥満および糖尿病患者における有益な代謝作用を示すことが報告されてきました。TirzepatideがHFpEFと肥満を合併する患者の臨床経過に及ぼす影響を検討しています。
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心血管疾患と朝食のエネルギー摂取:うつ病リスクを左右する「時間栄養学」の視点

アメリカの全国健康・栄養調査(NHANES)のデータを用いた最新の研究をもとに、食事のタイミングとうつ病リスクの関連について掘り下げます。この研究は、心血管疾患を持つ人々において朝食のエネルギー摂取が多いほど、うつ病リスクが低いことを明らかにしました。
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大動脈弁狭窄症に対する薬物治療、新たな光;酸化型可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の再活性化

大動脈弁狭窄症(Aortic Valve Stenosis, AVS)は、外科的治療に依存せざるを得ない。しかし、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)のシグナル伝達を、新たな治療ターゲットとした革新的な薬物治療戦略について解説します。
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CTで同定される冠動脈石灰化の意義と日本の現状での対応

CTにより冠動脈石灰化を評価する冠動脈カルシウムスコア(Coronary Artery Calcium Score: CAC)は、無症状の段階で冠動脈プラークの存在を評価できる非侵襲的な検査法として注目を集めています。