心拍/不整脈

心房細動アブレーション後の抗凝固療法は本当に必要か?

はじめに 心房細動(atrial fibrillation: AF)は最も頻度の高い不整脈であり、脳卒中の主要な原因の一つです。カテーテルアブレーションは洞調律維持やQOL改善に有効である一方で、長期的な抗凝固療法の必要性については依然とし...
Digital Health

スマートウォッチと医師のウェルビーイング:燃え尽き症候群低減とレジリエンス向上の可能性

はじめに 医師の燃え尽き症候群(burnout)は、近年、医療界における深刻な課題の一つとなっています。米国の最新調査によれば、実に約63%の医師が燃え尽きを経験していると報告されており、これは医療の質・安全性・コストに直接的な影響を及ぼし...
食事 栄養

ラーメン摂取と死亡リスク:山形コホート研究からの新たな示唆

はじめに 日本人にとってラーメンは国民的食文化の象徴であり、他の麺類(そば・うどん)よりも購入頻度が高い食品です。しかし、その一杯には多量の塩分が含まれており、過剰摂取は高血圧や脳卒中、さらには胃がんリスクを高める可能性が懸念されてきました...
Digital Health

スマホアプリによるアルコール依存症治療介入 

はじめに アルコール依存症は世界的に治療ギャップが大きい疾患のひとつです。日本においても、アルコール依存症と診断される人々のうち専門的治療を受けているのは1割に満たず、多くは長期間にわたり未治療のまま放置されています。その背景には、入院や断...
Digital Health

音声バイオマーカーによる認知機能低下の検出

はじめに 軽度認知障害(MCI)は認知症への移行段階にあたり、早期に発見することが重要です。しかし、世界的に見てもMCI患者の約92%が未診断のままであり、認知症の一次予防や介入の機会を逃しているのが現状です。従来、認知機能のスクリーニング...
血圧

性格特性と高血圧リスク

はじめに 心血管疾患(CVDs)は世界的に主要な死因の一つであり、年間約1,790万人が命を落としています。日本においても、加齢やがんに次ぐ大きな死亡原因となっており、その中心的なリスク因子が高血圧です。高血圧は脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎...
がん、悪性腫瘍

肥満、過体重成人におけるGLP-1受容体作動薬のがん予防効果

はじめに 肥満は世界的に増加し続け、心血管疾患や糖尿病のみならず、がん発症の強力なリスク因子としても知られています。米国では毎年診断されるがんの約40%が肥満関連とされ、その数は膨大です。近年、肥満治療薬として注目されているのがグルカゴン様...
整形外科

腰痛が社会にもたらす損失;集中力低下や作業効率の悪化

はじめに 腰痛や慢性的な背部障害は、世界的にみても最も一般的な慢性疾患の一つであり、健康関連QOLの低下だけでなく、社会的・経済的負担をもたらすことが知られています。特に労働年齢層においては、単なる痛みや身体機能の制限にとどまらず、労働参加...
がん、悪性腫瘍

がんと心血管疾患:共通のリスク因子と統合的予防戦略

はじめに がんと心血管疾患(CVD)は、世界的な死亡の半分以上を占める二大疾患です。かつては別々の領域で論じられてきましたが、近年の知見は両者が深く絡み合い、互いに進展を促す「双方向的関係」を持つことを示しています。加齢、喫煙、肥満、糖尿病...
睡眠

閉塞性睡眠時無呼吸の診断と治療 (2025 JAMA Internal Medicine総説)

はじめに 閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea: OSA)は、もはや一部の人々に限られた疾患ではありません。世界で10億人がOSAに罹患しており、そのうち4億2500万人が中等症から重症に分類されます。これは人...