心拍/不整脈

アスリートの徐脈、スポーツ心臓は「才能」だった?

はじめに 持久系アスリートの身体が示す生理的適応の中でも、安静時心拍数の著しい低下、いわゆる「アスリート徐脈」は古くから医学的関心の対象となってきました。一般的には、トレーニングによる迷走神経緊張の亢進や、洞結節のリモデリングなどがその主因...
心拍/不整脈

心拍変動(HRV)は、HPA軸(視床下部-下垂体-副腎皮質系)と自律神経の連携、炎症への影響を含む、全身の適応性(アロスタシス)のバイオマーカーである

はじめに 現代社会におけるストレスの慢性的な存在は、身体的および精神的な健康に広範な悪影響をもたらすことが知られています。この複雑なストレス応答のメカニズムを非侵襲的かつ定量的に捉える指標として、心拍変動(Heart Rate Variab...
睡眠

睡眠不足や睡眠の質の低下が、食欲を司る

はじめに 睡眠不足や質の低下が肥満の独立したリスク因子であることは、疫学的に広く知られています。しかし、この関係性は単純なエネルギー消費の低下によるものではありません。実際、睡眠障害がエネルギー消費に与える影響は最小限であることが示唆されて...
心拍/不整脈

心拍変動(HRV)は、内因性能力(Intrinsic Capacity)、レジリエンス(回復力)の指標

はじめに 老化という不可逆的なプロセスにおいて、私たちが真に追求すべきは単なる生存期間の延長ではなく、生命の質を形作る「内因性能力(Intrinsic Capacity)」の維持です。世界保健機関(WHO)が提唱したこの概念は、身体的・精神...
心拍/不整脈

心房細動による記憶力低下とそのメカニズム、対策

はじめに 心房細動は、世界で最も一般的な持続性不整脈であり、その負担は単なる脳卒中のリスク増大にとどまりません。臨床データによれば、心房細動患者の実に22パーセントから51パーセントが、持続的な記憶障害を呈しているという驚くべき事実がありま...
感染症関連

帯状疱疹ワクチンは認知症治療薬?発症のみならず、その進行を抑制

はじめに 認知症。この不可逆的な神経変性疾患は、現代医学において最も厚く、そして高い壁として立ちはだかってきました。アミロイドベータやタウタンパク質といった特定の分子標的に対する創薬研究がしのぎを削る中、今、全く異なるアプローチが世界に衝撃...
血圧

2週間就寝時刻を同じ時間にすると血圧が低下する

はじめに 高血圧という疾患は、現代社会における心血管疾患の最大の危険因子であり、その管理は公衆衛生上の最優先課題です。米国では成人の約50パーセントが高血圧に罹患していますが、薬物療法を受けている患者の中で、目標値である 130/80 mm...
血圧

受診ごとの血圧の「揺らぎ」と認知症リスク

はじめに 血圧の平均値が正常であれば、私たちの脳は安全だと言い切れるのでしょうか。この問いに対し、東北医科薬科大学の佐藤倫広講師らによる最新の研究は、極めて示唆に富む、そして警鐘を鳴らす回答を提示しています。本研究は、日本の国民健康保険のリ...
血圧

拡張期血圧(下の血圧)のみ高い「孤立性拡張期高血圧」に対して降圧薬治療は必要か?拡張期血圧が低い人に降圧薬を処方しても大丈夫か?

はじめに:孤立性拡張期高血圧(Isolated Diastolic Hypertension: IDH)という未解決の課題 一般的に、心血管疾患の最大のリスク要因として注視されるのは「収縮期血圧(上の血圧)」です。しかし、収縮期血圧が130...
Digital Health

救急受診を予見するデジタル・バイオマーカー

はじめに 救急外来を訪れる患者の多くは、受診の数日前から生理学的な変調をきたしています。本研究は、患者が日常的に携行するスマートデバイスから安静時心拍数と歩数の推移を抽出し、入院予測における有用性を検証した国際多施設共同研究です。 研究の背...