身体活動

職業的活動と余暇的活動の健康への影響

はじめに 近年、世界的に「身体活動は健康寿命を延ばす」というメッセージが広く共有されています。しかしその一方で、体をよく動かす職業に従事している人々が、必ずしも長寿であるとは限らないという“身体活動パラドックス(physical activ...
がん、悪性腫瘍

スタチン使用と乳がん死亡率の低下 Target Trial Emulation

序論:心血管薬ががん予後を変えるか スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)は、心血管疾患予防の基幹薬として世界中で広く使用されています。その主たる作用は、メバロン酸経路の抑制によるコレステロール合成の低下ですが、近年この経路が腫瘍細胞の増...
がん、悪性腫瘍

スタチンと乳がん予後 systematic review/meta-analysis

序論 スタチンは世界中で数億人が服用する脂質低下薬です。HMG-CoA還元酵素を阻害し、肝臓でのコレステロール合成を抑制するという明快な作用機序を持ちながら、その効果は動脈硬化抑制を超えて、炎症・免疫・腫瘍代謝にも及ぶことが知られています。...
食事 栄養

英国飲料におけるマイクロプラスチック曝露の現実 2025

はじめに 私たちが日常的に口にするコーヒー、紅茶、ジュース。そのどれもが「安全」だと信じて疑わないものです。しかし2025年に発表されたAl-Mansooriらの研究は、この日常の飲み物の中に「合成マイクロプラスチック(MPs)」が普遍的に...
食事 栄養

飲料中のマイクロ・ナノプラスチック汚染 「環境問題」から「食品安全」 へ

序論 私たちが毎日手に取るペットボトルの水やコーヒー、炭酸飲料。その中に、目には見えないほど微細なプラスチック粒子が含まれていることをご存じでしょうか。マイクロプラスチック(MPs, <5mm)およびナノプラスチック(NPs, 1–100n...
生活環境

マイクロプラスチックと人体:見えない侵入者がもたらす健康影響

はじめに 私たちの生活を支えるプラスチックは、今やあらゆる環境に浸透しています。2020年の世界のプラスチック生産量は4億3500万トンに達し、2000年の約2倍に増加しました。さらに2040年には70%の増加が見込まれており、その影響は環...
中枢神経・脳

睡眠中の頭部姿勢と神経変性疾患の関連性 ― グリンパ系と重力の視点から

はじめに 神経変性疾患(Neurodegenerative Disease: NDD)は、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)などを含み、高齢社会における大きな課題です。近年...
食事 栄養

胎児期から幼少期にかけての砂糖制限と成人期の心血管疾患リスク

序論 砂糖摂取の増加は、肥満、糖尿病、心血管疾患といった生活習慣病の主要な原因のひとつです。現在の各国の栄養ガイドラインでは、「フリーシュガー(砂糖や添加糖)の摂取はなるべく控えるべき」とされています。世界保健機関(WHO)は総エネルギーの...
中枢神経・脳

強化降圧療法で脳卒中リスクは上がるのか?下がるのか?

はじめに 脳卒中は世界的に依然として主要な死亡・障害原因の一つであり、特に東アジア地域では高い発症率を示しています。その最大の修正可能な危険因子は高血圧であり、収縮期血圧(SBP)の管理が脳卒中予防の鍵を握ります。しかし、至適な降圧目標値に...
心臓血管

仰臥位での睡眠は狭心症リスクを上げる?

はじめに 睡眠は心血管の健康を左右する重要な生活因子であり、睡眠時間や睡眠の質が動脈硬化や心筋梗塞、心不全のリスクに影響することは広く知られています。しかし「どの姿勢で眠るか」が心臓に与える影響については、ほとんど検証されていません。今回紹...