糖尿病関連

糖尿病予備軍でも心血管疾患リスク上昇(大規模メタ解析)

はじめに:前糖尿病の定義と臨床的意義 前糖尿病(prediabetes)は、血糖値が正常範囲を超えているものの糖尿病の診断基準には満たない中間的な代謝状態を指します。この状態は、空腹時血糖値(FPG)や経口ブドウ糖負荷試験2時間値(2hPG...
ED

新型コロナウイルス感染後の勃起不全(ED)

はじめに:コロナ後遺症の中に潜む静かな問題 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、急性期の呼吸器症状にとどまらず、感染から数か月、あるいは年単位で持続する多彩な後遺症、いわゆるlong-COVIDの存在を明らかにしま...
糖尿病関連

HbA1c6.0%でも死亡リスクは上昇する。(NIPPON DATA90)

はじめに HbA1c(グリコヘモグロビン)は、過去1-2ヶ月間の平均血糖値を反映する指標として、糖尿病の診断や血糖コントロールの評価に広く用いられています。近年では、糖尿病のない一般集団においても、HbA1c値が心血管疾患(CVD)リスクの...
糖尿病関連

「糖尿病のけがある」「糖尿病予備軍」はすでに動脈硬化が生じ始めている

研究の背景と重要性 近年、糖尿病だけでなくより軽度の血糖異常(前糖尿病)が動脈硬化の発展に影響を与える可能性が注目されています。この研究は、ポーランド・ビャウィストク在住の20-79歳の一般住民を対象に、前糖尿病が無症候性アテローム性動脈硬...
医療全般

終末糖化産物 (AGEs) と疾患:病態と介入 2025

はじめに 終末糖化産物 (Advanced Glycation End Products;AGEs) は、還元糖とタンパク質、脂質、核酸との間の非酵素的反応によって生成される化合物群です 。AGEs は、体内では高血糖や酸化ストレスの条件下...
心臓血管

終末糖化産物 AGEsと心血管疾患

はじめに 終末糖化産物=Advanced Glycation End Products(AGEs)は、タンパク質、脂質、核酸が非酵素的に糖化・酸化されることによって生成される多様な分子群です。 AGEsは、細胞内および細胞外マトリックスのタ...
心臓血管

動脈スティフネス arterial stiffness:血管老化のサイン

動脈スティフネス(arterial stiffness, AS)は、血管壁の弾性喪失を特徴とする病態であり、単なる加齢現象ではなく、慢性腎疾患(CKD)や糖尿病、高血圧といった病態と密接に関係する心血管リスクの早期マーカーです。本稿では、T...
性行為関連

性行為の体位の種類における心負荷

はじめに:研究の背景と重要性 1984年に発表されたこの研究は、性行為中の心拍数、心圧積(心拍×血圧積(rate–pressure product, RPP))、酸素摂取量(Vo₂)を初めて包括的に測定した画期的な論文です。当時、心筋梗塞後...
性行為関連

性行為とトレッドミル運動負荷の心拍数・血圧反応の比較

研究の背景と意義 「性的活動は心臓に悪いのではないか?」――この問いは、高齢化社会の中でますます重要性を増しています。とくに、既往に心疾患を抱える患者にとって、性的活動がどの程度の心血管負荷をもたらすのかを定量的に評価することは、安全な性生...
性行為関連

健常成人における性行為中の血圧・心拍数・心負荷の変化

はじめに:性と心血管リスクをめぐる誤解と実態 性的活動は人間の基本的な生理行動でありながら、特に心血管疾患のリスクを抱える人々にとっては、長らく「負担の大きい行動」として敬遠されがちでした。1950〜60年代には、性行為中の心拍数(HR)や...