がん、悪性腫瘍

GLP-1受容体作動薬と長期的ながんリスク

序論 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は、近年の糖尿病治療と肥満治療において最も注目を集める薬剤のひとつです。血糖降下作用と体重減少効果を同時に有し、心血管疾患リスクを低減させる可能性も示されてきました。その一方で、長期的な安全性、...
心拍/不整脈

GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドと起立性頻脈症候群(POTS)の悪化

序論 近年、肥満症に対する薬物治療は急速に普及しており、その中心的役割を果たしているのがGLP-1受容体作動薬や、さらに進化した二重作動薬であるチルゼパチドです。チルゼパチドは、GLP-1(glucagon-like peptide-1)と...
心拍/不整脈

洞不全症候群の薬物治療の新たな選択肢?GLP-1受容体作動薬

序論:GLP-1受容体作動薬の二面性 グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は、2型糖尿病や肥満の治療において大きな進歩をもたらしてきました。臨床試験では、主要心血管イベントを14%減少させ、全死亡率を12%低下させること...
心拍/不整脈

洞不全症候群の薬物治療 テオフィリンとシロスタゾール 

序論 洞不全症候群(sick sinus syndrome, SSS)は高齢者を中心にみられる徐脈性不整脈であり、疲労、めまい、呼吸困難、失神といった症状を呈します。第一選択の治療は恒久的ペースメーカー植込みであり、生命予後や失神予防におい...
心拍/不整脈

歳をとるとなぜ洞結節機能が低下するのか?

序論 心臓の拍動は生涯に20億回以上繰り返され、その律動を支えるのが洞房結節(sinoatrial node: SAN)です。しかし、加齢とともにこの主要なペースメーカーの機能は低下し、洞不全症候群(sinus node dysfuncti...
心拍/不整脈

洞不全症候群と生活習慣 ― 洞不全症候群を予防することはできるのか?

序論 洞不全症候群(Sick Sinus Syndrome, SSS)は洞結節の機能不全により発症する重篤な不整脈です。洞性徐脈や洞停止、発作性心房細動など多彩な臨床像を呈し、重症例では失神や突然死のリスクを伴います。発症の中心は加齢に伴う...
心拍/不整脈

洞不全症候群と心房細動の双方向性関係

はじめに 洞不全症候群(sick sinus syndrome, SSS)は洞結節の機能障害によって徐脈や洞停止を呈する病態ですが、その臨床的意義は単なる徐脈にとどまりません。特に心房細動(atrial fibrillation, AF)と...
心拍/不整脈

洞不全症候群とは

はじめに 歌手の美川憲一さん(79歳)が「洞不全症候群(SSS: Sick Sinus Syndrome)」と診断され、ペースメーカー植込み術を受けたことを公表しました。 美川憲一が「洞不全症候群」を公表 ペースメーカー取り付け手術も報告「...
心拍/不整脈

心房細動に対する極低用量アミオダロン(50 mg/日)の長期安全性と臨床的意義

はじめに 心房細動(AF)のリズムコントロールは、肺静脈隔離術を中心とするカテーテルアブレーションの普及によって大きな進歩を遂げてきました。しかし、特に持続性AFでは再発率が高く、慢性的な基質の変化を伴うため、アブレーション単独では十分な成...
心臓血管

救急車の接触事故により急性心筋梗塞患者の搬送が遅れ不幸な転機を辿った事例

2025年8月9日、循環器内科医として大変気になる事例、報道がありました。 病院到着20分遅れ搬送男性死亡 救急車が接触事故、愛知・小牧(共同通信) 愛知県小牧市消防本部は9日、胸の痛みを訴えた70代男性患者を搬送していた救急車が、トラック...