脂質代謝

無症候性アテローム性動脈硬化症と早期予防戦略の新展開

はじめに:心血管疾患予防のパラダイムシフト 現代医学において、心血管疾患(CVD)は依然として世界の主要な死亡原因です。近年の研究は、臨床症状が現れる以前の段階である「無症候性アテローム性動脈硬化症(subclinical atherosc...
脂質代謝

悪玉LDLにApo(a)が結合した超悪玉=リポタンパク(a)(Lp(a))

はじめに:血中脂質の運搬体は、ただの「容器」ではない 血中に存在する脂質は、水に溶けないという性質上、運搬のためにタンパク質と複合体を形成して「リポタンパク」として存在します。これらのリポタンパクは、まるで細胞間を行き交う宅配便のようにコレ...
心臓血管

前立腺肥大症と心血管疾患のあいだに潜む因果関係―双方向メンデルランダム化解析―

はじめに:前立腺肥大症と心血管疾患 前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia: BPH)は、高齢男性の健康問題として広く知られていますが、単なる排尿障害にとどまらず、近年では心血管疾患(cardiovascul...
泌尿器科

良性前立腺肥大症と心血管疾患発症リスク;全国保険データベース解析

はじめに:泌尿器疾患と心血管疾患の意外な接点 良性前立腺肥大症(BPH)は、男性の加齢とともに高頻度にみられる疾患であり、排尿障害や夜間頻尿といった下部尿路症状(LUTS)を呈します。その病態には、前立腺組織の過形成、ホルモン環境の変化、慢...
心臓血管

LDLの血管内皮下侵入メカニズム

はじめに:LDLとは何か、なぜ血管壁に入るのか LDL(Low-Density Lipoprotein)は、肝臓で生成され、血中を通じて全身の細胞へコレステロールを供給するリポタンパク粒子です。直径22〜27nmの球状構造を持ち、その表面に...
心臓血管

若年期に始まる動脈硬化

はじめに:動脈硬化は“老化”の問題ではない 動脈硬化という言葉から、多くの人が思い浮かべるのは高齢者の病気かもしれません。しかし、2002年の古い研究ではありますが、Pathobiological Determinants of Ather...
心臓血管

冠動脈疾患のパラダイムシフト:虚血からアテロームへ

はじめに:従来の限界と新たな視点 冠動脈疾患(CAD)は、依然として世界で最も多くの命を奪っている疾患のひとつです。2025年現在、CADは毎年およそ900万人の死者を出しています。冠動脈疾患(CAD)に対する現代医学のアプローチは、長年に...
心臓血管

「うっ血」とは?「鬱血性心不全」とは?その病態と診断・管理・治療

はじめに 心不全は、心臓の構造的あるいは機能的な異常によって、心臓が全身の組織や臓器に十分な血液を供給できなくなる症候群と定義されます。この病態は、単に心臓のポンプ機能の低下に留まらず、体液の調節異常を引き起こし、結果として「うっ血」という...
心拍/不整脈

運動しても心拍数が上がらない;変時不全(Chronotropic Incompetence)

運動中に「なぜかすぐ息が切れる」「疲れやすい」と感じるのに、スマートウォッチを見れば心拍数は大して上がっていない。こうした現象に心当たりのある方は、もしかすると「変時不全(Chronotropic Incompetence:CI)」という状...
食事 栄養

食品リテラシーと食事動機が食事の質と肥満に与える影響

この研究は、食品リテラシー(食に関する知識・技能・行動)と食事動機(食べる理由や動機)が、食事の質と肥満(一般的な肥満と腹部肥満)にどのように関連しているかを包括的に調査しています。