動悸が生じたら心電図記録もしくは血圧測定を。

Digital Health

動悸が生じたときは、その生じている最中に心電図を記録したいです。その心電図記録こそが、不整脈診断に大きく役立ちます。

動悸発生→スマートウォッチで記録してみる

とある人に突然の動悸が生じました。心電図機能付きスマートウォッチで心電図を記録しました。

循環器医が見ると、ノイズはあるものの、心拍数170/分くらいの頻拍性不整脈が生じていることがわかります。

標準12誘導心電図で確認してみる

この不整脈を標準12誘導心電図で記録してみますと、こんな感じです(図は、I誘導のみです)。

ノイズが少ない分綺麗に見えますが、スマートウォッチの記録はこれにかなり近い波形が描出されていたことがわかります。(ちなみに、これは心房粗動という不整脈でした)

先のスマートウォッチによる心電図記録は、「動悸」は気のせいではなく、不整脈が生じていた!ということの証拠になるわけです。

動悸を感じがちの方は心電図機能付きスマートウォッチや、携帯心電計を所持していると役立ちます。

動悸が生じたときのもう一つの情報収集

心電図機能付きスマートウォッチや、携帯心電計を所持していない場合に動悸が生じたら、他に良い情報収集の方法はないのでしょうか?

まず、ご自分の手首のあたりで「脈」を触れる努力をしてみてください。1分間に何回くらい触れるか数えれば、不整脈が生じているか否かのヒントになります。安静にしているのに、120回/分を超えるような脈拍は明らかに異常です。また、リズムが不規則になっている場合、脈が時々飛ぶ場合も不整脈の可能性が高いです。

ご自宅に血圧計がある場合には血圧測定をしてください。血圧の数値も参考になりますし同時に脈拍数が記録されることが多いのでこれが大いに不整脈の参考になります。こんな感じで写真に撮っていただけますと循環器医としては嬉しくなります。

血圧137/92mmHgで、脈拍158/分ということです。

頻拍性不整脈の時に、血圧が極端に下がってしまうことを循環器医は心配します。下がっていませんので、一安心です。
安静時に脈拍158/分は明らかに異常です。何らかの不整脈が生じている証拠になります。

まとめ

動悸が生じた時に、心電図機能付きスマートウォッチ(や携帯心電計)が役立った例を挙げました。

動悸が生じた時に、血圧測定をして測定画面を写真に撮っておき、それを提示すると役立つことがあります。循環器医は喜びます。

動悸のみならず、「息苦しい」「胸が痛い」など他の胸の症状の時も応用できます。
動悸、その他の時の心電図や血圧計を記録できた時や波形の解釈がわからないときはお気軽にご相談ください。

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