ピラティスで減量!

身体活動

ピラティスにより減量ができるのか?ということを検証したメタ解析論文をご紹介いたします。

過体重・肥満の方に対するピラティス:メタ解析

 Pilates for Overweight or Obesity: A Meta-Analysis.
Front Physiol. 2021 Mar 11;12:643455.


【背景 】

過体重・肥満が世界的に社会問題となっている。 定期的な身体活動は、過体重や肥満の人にとって最も効果的な予防法と治療法の1つである。通常の運動では、 過体重や肥満の人では膝関節の過負荷による筋骨格系の損傷が少なくなく、代替となる介入が必要である。

一方で、ピラティスが体重や体組成の調整に有効であることを示すエビデンスは不明確である。

【目的 】

過体重もしくは肥満の成人における体重、体組成に対するピラティスの効果を評価する。

【方法と結果 】

各種データベースから関連する無作為化対照試験(RCT)を検索。3人の査読者が独立してデータ抽出を行い、研究の質を評価した。

対象は、18歳以上の過体重または肥満の成人(過体重:BMI≧25.0kg/m2、肥満:BMI≧30.0kg/m2)。

アウトカム指標は、体重、BMI、体脂肪率、除脂肪体重、およびウエスト周囲径とした。

最終的に条件に合致する11件のRCT、393名(男性90名、女性303名)を対象とした。

ピラティスの介入はほとんどが8-24週間, 3-4回/週, 1回50-90分。30-40分/回、5-6回/週という研究も1つあった。


データ合成の結果、以下の結果が得られた。

・ピラティスは体重を顕著に減少させた 。
(MD = -2.40, 95% CI: [-4.04, -0.77], P = 0.004, I 2 = 51%)

・ピラティスはBMIを顕著に減少させた。
 (MD = -1.17, 95% CI: [-1.85, -0.50], P = 0.0006, I 2 = 61%)

・ピラティスは体脂肪率を顕著に減少させた。
     (MD = -4.22, 95% CI: [-6.44, -2.01], P = 0.0002, I 2 = 88%)


体重と体脂肪率の減少は、肥満の参加者のみを含む研究でより顕著に見られ、体重とBMIの改善に対するピラティスの有効性は、介入期間が長いほど明らかになった。

しかし、ピラティスは、以下の項目には有意な効果がなかった。

・ウエスト周囲径
(MD = -2.65, 95% CI: [-6.84, 1.55], P = 0.22, I 2 = 0%)

・除脂肪体重
(MD = -0.00, 95% CI: [-1.40, 1.40], P = 1.00, I 2 = 23%)

【結論】

ピラティスは、過体重または肥満の成人において、体重、BMI、および体脂肪率を減少させる。

ただし、各研究の質が高くないため、明確な有効性を確かめるには大規模なRCTが必要。

今日から、まずはYoutube動画でお試し

体重が増えた、太った、、と感じている方、運動不足と感じている方はぜひお試しください。上記論文はBMI25以上の結構太めな方対象のメタ解析ですので、それ以下の人への減量効果は不明ではありますが、参考にはなるでしょう。
ピラティスの良さは、いつでもどこでも1人でもできて、特別な器具も不要なところです。

まずはYoutubeなどの動画を見てみよう見まねで試してみて、良さそうなら初めはちゃんと習うことをお勧めします。

例えば、こちら。

動画
https://www.youtube.com/hashtag/zenplace

zenplaceピラティス
https://www.zenplace.co.jp/

【参考文献】

Wang Y, Chen Z, Wu Z, Ye X, Xu X. Pilates for Overweight or Obesity: A Meta-Analysis. Front Physiol. 2021 Mar 11;12:643455. doi: 10.3389/fphys.2021.643455. PMID: 33776797; PMCID: PMC7992419.

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