認知的家事労働をエフェクチュエーションで乗り越える試みをKindle出版で本にしました。

女性医療

疲弊する妻のためのエフェクチュエーション思考: 見えない家事・認知的労働を背負うあなたへ (コトリ文庫) Kindle版

Amazon.co.jp: 疲弊する妻のためのエフェクチュエーション思考: 見えない家事・認知的労働を背負うあなたへ (コトリ文庫) eBook : 布施 淳: Kindleストア
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疲れているのに、休んだ気がしない。
家事をしているのに、終わった気がしない。
パートナーが何もしていないわけではないのに、なぜか自分ばかりがずっと気を張っている。
そんな感覚を抱えたことはないでしょうか。

本書は、家事や育児そのものの量だけでは説明できない、女性たちの深い疲弊の正体に迫る一冊です。テーマは、「見えない家事」「認知的家事労働」「メンタルロード」。つまり、掃除や料理のように手を動かす作業ではなく、その前後で発生している、気づく、考える、選ぶ、決める、覚えておく、見届ける、といった頭の中の終わらない仕事です。

たとえば、子どもの予定を把握する。
日用品の在庫を覚えておく。
保育園の持ち物を忘れないようにする。
夫に頼んだことが本当に済んだかを気にかける。
食事の栄養バランスを考える。
家族全体の体調、機嫌、スケジュールを頭の中で同時に管理する。

こうした仕事は、目に見えにくいため評価されにくく、しかし確実に脳のエネルギーを奪っていきます。
その結果、多くの女性は、仕事と家庭の両立以前に、「ずっと頭が休まらない」という状態に追い込まれています。

本書は、この見えない負担を単なる気合いや時短術で乗り切るのではなく、「エフェクチュエーション」という思考法によって根本から見直します。

エフェクチュエーションとは、不確実性の高い状況で熟練した起業家たちが実践している意思決定の考え方です。
未来を完璧に予測し、理想から逆算してすべてを管理しようとするのではなく、今あるものから始め、許容できる損失を見極め、人と共創し、予期せぬ出来事さえ味方につけながら、現実をしなやかに形づくっていく。

この発想は、実は予測不能な家庭生活と非常に相性が良いのです。

子どもの発熱。
急な残業。
保育園からの呼び出し。
家事分担のすれ違い。
パートナーの「言ってくれればやるのに」という一言。
どれも、綿密な計画を崩す厄介な出来事に見えるかもしれません。
けれど本書は、それらを「失敗」や「私の管理不足」と捉えるのではなく、家庭の仕組みを作り変えるヒントとして扱います。

本書では、まず認知的家事労働の構造を丁寧にひもときながら、なぜ女性ばかりが家庭のプロジェクトマネージャーになりやすいのか、なぜ「手伝ってくれる夫」がいても苦しさが消えないのかを明らかにします。
そのうえで、エフェクチュエーションの5つの原則を、家庭生活に引き寄せながら具体的に解説していきます。

・今ある資源から始める「手中の鳥」
・完璧を手放すための「許容可能な損失」
・夫婦や周囲との共創を生む「クレイジーキルト」
・トラブルを仕組みに変える「レモネード」
・未来を自らの手に取り戻す「飛行中のパイロット」

これらの原則を通して、本書が目指すのは、単なる家事の効率化ではありません。
目指しているのは、あなたの頭の中から「終わらない管理業務」を減らし、脳の余白を取り戻すことです。
そしてその余白を、睡眠や休息のためだけでなく、仕事、学び、創造性、人生の可能性のために取り戻すことです。

本書は、こんな方におすすめです。

・家事や育児に追われ、いつも頭が休まらない
・パートナーが非協力的というより、「当事者になっていない」と感じる
・頑張っているのに、なぜか報われない
・完璧にやろうとして自分を追い込んでしまう
・家庭を回すことに疲れ、自分の人生が後回しになっている
・夫婦関係を責め合いではなく、共創へ変えていきたい

本書は、家事を軽くする本であると同時に、家庭のあり方を問い直す本です。
また、女性のウェルビーイング、キャリアの持続可能性、そして家族というチームの再設計を考える本でもあります。

あなたを苦しめているのは、能力不足でも、段取りの悪さでもありません。
問題は、見えない労働を一人で抱え込まざるを得ない構造にあります。
そして、その構造は変えることができます。

頑張ることをやめるのではなく、頑張り方そのものを変える。
完璧を目指すのではなく、家族で回る仕組みをつくる。
予測不能な毎日を、恐れるのではなく、共に乗りこなしていく。

この本が、見えない負担に疲れたあなたにとって、少しでも呼吸がしやすくなるきっかけになれば幸いです。

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