スマートウォッチは200/分を超える心拍数を正しく感知できるのか?

Digital Health

よくある頻拍性不整脈 

比較的若い人にも生じる不整脈に「発作性上室性頻拍(PSVT)」があります。

PSVTの中にも種類は色々あるのですが、総じてざっくり言うと、規則正しいリズムの頻拍です。
「規則正しい」点が、心房細動(不規則、バラバラ)と異なります。
心拍数は様々ですが、多くは150拍/分以上、場合によっては200拍/分を超えます。
命に関わることは稀なのですが、人によっては激しい動悸を伴ったり、フラフラしたりします。

この著しく速くなることもある不整脈を、スマートウォッチは正しく心拍数を捉えることができるのでしょうか?

発作性上室性頻拍の心拍数測定における手首装着型ウェアラブルデバイスの精度評価

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30808083
Assessing Accuracy of Wrist-Worn Wearable Devices in Measurement of Paroxysmal Supraventricular Tachycardia Heart Rate.

この論文では、27人のPSVTの患者さんにスマートウォッチを装着して、心拍数を正確にカウントできるか調べています。PSVTの心拍数は患者さんによって様々で、108-228拍/分でした。使用したスマートウォッチは、

Apple Watch Series 2 (Apple),
Samsung Galaxy Gear S3 (Galaxy)
Fitbit Charge 2 (Fitbit)

です。

結果、誤差10拍/分以内だった確率は、

Apple 100%
Galaxy 90%
Fitbit 87%

でした。

数値上は、Appleがもっとも優秀ですが、まあどれも許容範囲内の精度と考えられます。

スマートウォッチを装着しておくことで、不整脈が生じたときに客観的な情報が得られます。PSVTは自然に治ることも多く、医療機関を受診したときには治っていることがよくあります。

頻拍だった証拠がないと、なかなか医師としても治療には進めずらいです。つまり、スマートウォッチの頻拍情報は、医療機関受診するにあたり、貴重な情報になるわけです。

ぜひご活用ください。

【参考文献】

Hwang J, Kim J, Choi KJ, Cho MS, Nam GB, Kim YH. Assessing Accuracy of Wrist-Worn Wearable Devices in Measurement of Paroxysmal Supraventricular Tachycardia Heart Rate. Korean Circ J. 2019 May;49(5):437-445. doi: 10.4070/kcj.2018.0323. Epub 2019 Feb 11. PMID: 30808083; PMCID: PMC6511533.

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