安静時心拍数とその変化と心臓病リスク

Digital Health

安静時心拍数が死亡リスクと相関があるという話はこのブログでもなんども話しています。

例えば、

さて、今回は、スウェーデンからの報告です。
スウェーデンの1943年生まれの男性を無作為抽出、798人が対象。
1993年、2003年、2013年に安静時心拍数を含めた諸検査を施行し、その結果を分析。

1993年、50歳時に安静時心拍数が>75回/分の男性は、<55回/分の男性より、以下のように概ね2倍リスクが高かった。(HR: Hazard Ratio)

全死亡リスク HR2.3、P=0.018
心血管疾患  HR1.8、P=0.014
冠動脈疾患  HR2.2、P=0.025

1993年→2003年、つまり50→60歳の間に安静時心拍数が5回/分以上増加した男性は、そうでない男性より心血管疾患リスクが44%低かった。

50歳以降の安静時心拍数が1回/分増加する毎に、以下のようにリスクが上がる。

全死亡リスク           3%
心血管疾患リスク    1%
冠動脈疾患リスク 2%

以前から申し上げている通り、このような研究は観察研究であり「因果関係」ではありません。
安静時心拍数が高いから病気になる、とは限りません。
病気が潜在しているから、安静時心拍数が高いのかもしれません。

何れにしても、安静時心拍数が高い人、例えば75回/分を超えているような男性は、心臓を中心に医学的なチェックをしておくことおをお勧めいたします。

お気軽にご相談ください。

スマートウォッチで、安静時心拍数の目安がわかりますので活用いただくと良いかと思います。

【参考文献】

Chen X, Barywani SB, Hansson P, et al 
Impact of changes in heart rate with age on all-cause death and cardiovascular events in 50-year-old men from the general population
Open Heart 2019;6:e000856. doi: 10.1136/openhrt-2018-000856

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