健康で長生きしたいから、運動、身体活動を心がけているという人は多いと思います。
具体的にはどのくらいの時間運動すれば良いのでしょうか。
例えばアメリカ心臓協会のガイドラインでは、中等度の強さの運動を30分を週5日、つまり週150分が推奨されています。
ここでご紹介するのは今年発表された、米国の成人(40-85歳)88,140人を対象としたコホート研究(1)。
身体活動の程度を質問票で聴取。その後約9年間フォローし、死亡リスクとの関連を調査しています。
運動に関して、
・活発(vigorous)な運動:ランニング、速いサイクリング、競うスポーツなど
・軽度-中等度の運動:きびきびした歩行、ダンス、ガーデニングなど
にわけ、ガイドラインにならい、活発な運動は2倍の時間の中等度運動に換算し、身体活動量を算出しています。
結果、身体活動(中等度)と全死亡リスクの関係は、、、
活動的でない人と比べて、身体活動(中等度)が、
週10-59分の人は、全死亡リスクが18%低下
週60-149分の人は、全死亡リスクが22%低下
週150-299分の人は、全死亡リスクが31%低下
週300-449分の人は、全死亡リスクが33%低下
週450-799分の人は、全死亡リスクが42%低下
週800-1499分の人は、全死亡リスクが37%低下
週1500分以上の人は、全死亡リスクが46%低下
でした。
下記は、余暇時身体活動時間(分)(横軸)と死亡リスク(縦軸)の関係のグラフです。
身体活動時間が増えるに連れてリスクは下がります。400-500分/週を超えると、リスクの低下効果はごくなだらかになります。
長生きするために身体活動を心がけるのであれば、
週500分くらい身体活動(中等度)をすれば、そのメリットを十分に享受できそうです。
概ね70分/日ですね。
また、週10-59分でも18%のリスク低下しています。1日数分の身体活動でも健康への効果はあると解釈できます。
ということで、
長生きしたい人は、週500分、つまり70分/日を目標にしましょう。
もっともっと長生きしたい人は週1500分目標。214分/日!!苦笑。
運動嫌いな人も、1日5分でも良いのでキビキビ歩きましょう。それだけでも健康へのメリットあります。
【参考文献】
(1)Zhao M, Veeranki SP, Li S, et al Beneficial associations of low and large doses of leisure time physical activity with all-cause, cardiovascular disease and cancer mortality: a national cohort study of 88,140 US adults British Journal of Sports MedicinePublished Online First: 19 March 2019. doi: 10.1136/bjsports-2018-099254