心臓血管

心拍/不整脈

心停止に対する心臓マッサージ(胸骨圧迫)の真実:半数以上で出口が塞がれている?

はじめに:蘇生の盲点を突く 心肺蘇生(CPR)において、私たちは長年、ガイドラインが推奨する胸骨下半分の圧迫が最適であると信じて疑いませんでした。しかし、この「ブラインド」な介入が、実は個々の患者の解剖学的多様性を無視した、画一的なアプロー...
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心不全治療 update2026

はじめに 心不全診療は、今、歴史的な転換点に立っています。かつて駆出率が保たれた心不全(HFpEF)や軽度低下した心不全(HFmrEF)は、治療選択肢が乏しく、臨床医にとって苦渋の選択を強いられる領域でした。しかし、2026年現在の最新エビ...
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若年性僧帽弁逸脱症の真実:逆流の影に隠れた死亡リスクと心室リモデリングの警鐘

はじめに 僧帽弁逸脱症(MVP)は成人人口の2%から3%に見られる極めて一般的な弁膜症であり、多くの臨床現場では中等症以下の逆流であれば「当面は経過観察で問題ない」と判断されることが多い疾患です。しかし、本論文「Mortality, Hos...
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急性大動脈解離における女性の診断遅延と予後悪化

はじめに 急性大動脈解離は、発症から一刻を争う致死的な心血管救急疾患です。近年、心筋梗塞や心不全において男女で発症様式や予後が異なるという「性差医療」の重要性が叫ばれていますが、大動脈疾患における性差に関するデータはこれまで乏しく、研究結果...
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下大静脈センサーによる心不全自己管理 

はじめに 最新の心不全治療において、私たちの前に立ちはだかる最大の壁は「後手に回る管理」です。今回ご紹介するFUTURE HF II研究の結果は、その壁を打ち破り、患者自身が「預言者」のように自身の状態を予測し、能動的に介入する未来を提示し...
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左利きという心血管リスク:血管内皮と自律神経の不協和音

はじめに 私たちは日常生活において、利き手を単なる個性のひとつ、あるいは脳の側性化を示す象徴として捉えています。しかし、医学の世界では古くから、左利き(left-handed;LH)の人々が直面する特有の健康課題が議論されてきました。過去の...
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心不全治療において気をつけるべき薬たち

はじめに 心不全は、現代医療において最も急速に増加している心血管疾患の一つであり、その管理は喫緊の課題となっています。しかし、我々が良かれと思って処方する、あるいは患者が日常的に服用している薬剤の中に、実は心不全を惹起し、あるいは劇的に悪化...
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弁膜症の経カテーテル治療の予後を左右するのは、「病院の症例数」か、「術者個人の経験症例数」か?

はじめに 現代の循環器疾患治療において、経カテーテル大動脈弁留置術(Transcatheter Aortic Valve Replacement;TAVR)と経カテーテル僧帽弁接合不全修復術(Mitral Transcatheter Edg...
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虚血性左室機能不全「血行再建こそが正義」というパラダイムからの脱却

はじめに 虚血性心疾患を背景とした左室機能不全(Ischemic Left Ventricular Dysfunction:iLVD)は、駆出率の低下した心不全(HFrEF)の最も主要な原因です。非虚血性心筋症と比較して、虚血性病因は短期的...
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心血管疾患予防における「炎症」の重要性

はじめに 長年、心血管疾患(CVD)予防の主戦場は低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の低下にありました。しかし、強力なスタチン療法によってLDL-Cを極限まで下げてもなお、再発を繰り返す患者が絶えません。2025年に発表されたACC...