脂質代謝

心臓血管

LDLの血管内皮下侵入メカニズム

はじめに:LDLとは何か、なぜ血管壁に入るのか LDL(Low-Density Lipoprotein)は、肝臓で生成され、血中を通じて全身の細胞へコレステロールを供給するリポタンパク粒子です。直径22〜27nmの球状構造を持ち、その表面に...
心臓血管

若年期に始まる動脈硬化

はじめに:動脈硬化は“老化”の問題ではない 動脈硬化という言葉から、多くの人が思い浮かべるのは高齢者の病気かもしれません。しかし、2002年の古い研究ではありますが、Pathobiological Determinants of Ather...
心臓血管

冠動脈疾患のパラダイムシフト:虚血からアテロームへ

はじめに:従来の限界と新たな視点 冠動脈疾患(CAD)は、依然として世界で最も多くの命を奪っている疾患のひとつです。2025年現在、CADは毎年およそ900万人の死者を出しています。冠動脈疾患(CAD)に対する現代医学のアプローチは、長年に...
脂質代謝

高コレステロール血症治療薬 スタチンは本当に安全か?—一次予防における利益とリスク

高コレステロール血症治療薬 スタチンの心血管疾患に対する予防効果は明確である一方、副作用に対する懸念が今もなお根強く残っています。
生活環境

南米先住民ツィマネ(Tsimane)族における冠動脈硬化の驚異的な低頻度―生活様式と心血管健康の深い関係

はじめに 冠動脈疾患(CAD)は依然として世界的な死亡原因の上位を占めており、その発症には高LDLコレステロール、高血圧、糖尿病、喫煙など、よく知られた危険因子が関与しています。これまでの疫学的研究では、これらの因子がCAD全体の90%以上...
脂質代謝

LDLコレステロールが動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を引き起こす確たる証拠

はじめに:LDLと心血管疾患の因果関係をめぐる論争 動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)は、心筋梗塞や虚血性脳卒中などの臨床症状を伴い、世界中で罹患率と死亡率の主要な原因となっています。この疾患の発症には多くの危険因子が関与していますが、中で...
脂質代謝

脂質代謝と心血管健康:アテローム性動脈硬化症の予防戦略における新たなパラダイム

はじめに:心血管疾患予防の新たな視点 2018年にJournal of the American College of Cardiologyに掲載されたFerenceらの研究は、心血管疾患予防における脂質管理の重要性を根本から再考する画期的...