心拍/不整脈

心臓突然死(Sudden Cardiac Death, SCD)を防ぐために:日本の現状と課題

心臓突然死は、日本において年間約8万人が犠牲となる深刻な公衆衛生問題です。これは、心血管疾患の急激な進行によって心停止に至る現象であり、早期介入がなければほぼ100%が致死的な転帰を迎えます。本稿では、最新の研究で示されたデータを基に、SCDの予防と救命率向上に向けた戦略を包括的に解説します。
依存症

喫煙とがん手術後の合併症リスク

はじめに がん患者における手術は、治療の中核を担う重要な選択肢です。しかし、術後の合併症リスクは、患者の健康状態や生活習慣に大きく左右されます。なかでも喫煙は、創傷治癒の遅延や感染リスクの増加、肺機能の低下など、多岐にわたる影響を及ぼすこと...
心臓血管

大動脈弁狭窄症に対する薬物治療、新たな光;酸化型可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の再活性化

大動脈弁狭窄症(Aortic Valve Stenosis, AVS)は、外科的治療に依存せざるを得ない。しかし、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)のシグナル伝達を、新たな治療ターゲットとした革新的な薬物治療戦略について解説します。
女性医療

月経周期と脳-心臓相互作用、女性ホルモンと女性の健康

月経周期によるホルモンの変動が脳と心臓の相互作用に与える影響について解説します。女性ホルモンであるエストロゲン(E2)とプロゲステロン(P4)は、単に生殖機能を調節するだけではなく、心血管系にも大きな影響を与えます。
食事 栄養

「バター」と「植物油」の明暗;22万人超・33年追跡調査が示す食用油の選択と生存率の関係

長期の食事調査と詳細な死亡原因データをもとに、「バター」と「植物油」の摂取が、総死亡リスク、がん死亡リスク、心血管疾患(CVD)死亡リスクにどのように関係するのかを解き明かしています。
アルコール

スポーツ賭博と飲酒行動の経時的変化

大谷翔平選手の元通訳である水原一平氏のスポーツ賭博の事件は記憶に新しいところです。近年、アメリカではスポーツ賭博が急速に普及し、10%から30%の成人が過去1年間にスポーツ賭博を行ったと報告されています。
心臓血管

CTで同定される冠動脈石灰化の意義と日本の現状での対応

CTにより冠動脈石灰化を評価する冠動脈カルシウムスコア(Coronary Artery Calcium Score: CAC)は、無症状の段階で冠動脈プラークの存在を評価できる非侵襲的な検査法として注目を集めています。
心臓血管

女性の狭心症症状はなぜ男性より重くなるのか

慢性冠動脈疾患(CCD)、心筋虚血によって引き起こされる狭心症症状に関し、女性は男性よりも重く、QOL(生活の質)も低下しやすいことが示されました。虚血はあるが冠動脈に高度狭窄がない(INOCA)患者を含めた解析です。
心臓血管

睡眠と心血管健康2025 ;予防医療における新たな潮流

睡眠は、人間の基本的な要素であり、心血管疾患(CVD)のリスクに大きな影響を与えることが明らかになってきました。2022年、アメリカ心臓協会(AHA)は「Life’s Essential 8」に睡眠時間を加え、成人が1日7~9時間の睡眠を目指すことを正式に推奨しました。
心拍/不整脈

カテーテルアブレーションによる心房細動進行抑制効果

心房細動(Atrial Fibrillation:AF)患者数は5,300万人に上り、年間34万人がAF関連死に至っています。発作性AF(7日未満で自然停止)から持続性AF(7日以上持続)への進展は、早期死亡率リスク上昇をもたらし生活の質(QOL)にも深刻な影響を及ぼします。