スピーチ、プレゼン時の心拍数
人前で講演をしたり、スピーチをしたりするのは誰でも緊張しますよね。
例えば、とある論文(Ann Intern Med. 1970;72(2):255-256.)によると、人前でプレゼンテーションをした10人の役人の心拍数を測定したところ、平均でベースラインの心拍数73/分が、154/分まで上昇しました。
2倍以上にも増加するわけです。これはかなりの心臓への負荷になります。
スピーチで心筋虚血
冠動脈疾患(狭心症)の方が、運動をしても虚血に陥らない(心臓に負担がかからない)程度の病状であっても、人前でのスピーチという精神的ストレスでは、虚血に陥る(心臓に負担がかかる)とする論文(J Am Coll Cardiol 2006;47:987–91)もあります。
精神的ストレス、スピーチ恐るべしです。
ご年配の方などのスピーチの際はご配慮を
自分も、人前で講演をした際に、装着していたapple watchの心拍数を調べてみたことが何度かありました。
講演中はいずれも顕著な上昇はなく、概ね心拍数70/分くらいでした。 緊張していなかったわけではないと思うのですが、 意外と負担になっていないようでした。 個人、状況により相違があるのでしょう。
講演や、結婚式のスピーチなど、年配の方が担うことも多いです。
少しでもストレスを軽減する気遣いが必要ですね。AEDの場所も確認しておくと良いかもしれません。
【参考文献】
・Moss AJ, Wynar B. Tachycardia in house officers presenting cases at grand rounds. Ann Intern Med. 1970 Feb;72(2):255-6. doi: 10.7326/0003-4819-72-2-255. PMID: 5412490.
・Ramachandruni S, Fillingim RB, McGorray SP, Schmalfuss CM, Cooper GR, Schofield RS, Sheps DS. Mental stress provokes ischemia in coronary artery disease subjects without exercise- or adenosine-induced ischemia. J Am Coll Cardiol. 2006 Mar 7;47(5):987-91. doi: 10.1016/j.jacc.2005.10.051. Epub 2006 Feb 9. PMID: 16516082.