果物の健康上のメリット
果物を食べることは健康に良いということは、もはや常識です。
果物摂取と死亡リスク低下が正の相関があることがたくさんの研究で示されています。
例えば、95のコホート研究のメタ解析では、200g/日で15%死亡リスク低下するという結果でした(1)。
病気の予防も示唆されており、例えば心血管疾患、糖尿病、高血圧、癌、喘息、白内障、認知症、うつ病、骨折などのリスクと負の相関があることが示されています(2)。
果物は太りそうなイメージがありますが、適量であればむしろ減量することが知られています。ある研究では、果物摂取は100g/日毎に、体重13.7 g/年の減少、腹囲0.04 cm/年の減少と関連することが示されています(3)。
ただし、食べ過ぎると糖尿病予防効果が下がってきたり、体重減量効果が下がってきたりすることも示されているので、200-300gくらいまでにしておくというのが、厚生労働省や各国、組織の現在の推奨果物摂取量の目安です。
果物ならどんな商品でも良いのか?
果物ならなんでも良いかというとそうではありません。
つい最近発表されたレビュー/メタ解析論文(2)では、
● 果物そのもの、ドライフルーツは健康に中立的かメリットあり
● 100%フルーツジュースは中間的効果
● フルーツ缶詰、加糖フルーツジュースは死亡リスク上昇、糖尿病リスク上昇と正の相関
であることが示されています。
果物を加工すればするほど、食物繊維などの健康に良い成分が削ぎ落とされてきます。
それに加え、加糖するとどんどん身体に悪影響を及ぼしてきます。
果物のキモは、食物繊維です。
これがないと、果糖の害を被りやすくなります。
結論
果物は丸ごと、200-300g/日食べましょう。
糖尿病や腎臓病の方など持病をお持ちのかたは、例外もありますので主治医とご相談ください。
当クリニックにご相談にいらしていただいても構いません。
【参考文献】
(1) Aune D, Giovannucci E, Boffetta P, et al. Fruit and vegetable intake and the risk of cardiovascular disease, total cancer and all-cause mortality-a systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies. Int J Epidemiol. 2017;46(3):1029-1056.
(2) Fardet A, Richonnet C, Mazur A. Association between consumption of fruit or processed fruit and chronic diseases and their risk factors: a systematic review of meta-analyses. Nutr Rev. 2019;
(3) Schwingshackl L, Hoffmann G, Kalle-uhlmann T, Arregui M, Buijsse B, Boeing H. Fruit and Vegetable Consumption and Changes in Anthropometric Variables in Adult Populations: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies. PLoS ONE. 2015;10(10):e0140846.