糖尿病関連

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成人2型糖尿病の診断と治療:最新のエビデンスに基づく総説

はじめに 2型糖尿病は、インスリン抵抗性を背景とした膵β細胞からのインスリン分泌の進行性低下を特徴とする代謝疾患です。2025年JAMA誌に発表されたKalyaniらの総説によれば、世界で5億8900万から8億2800万人が2型糖尿病を患っ...
糖尿病関連

AGEの組織蓄積とAGE-RAGE相互作用は非糖尿病でも、全てのライフステージで影響を与えうる

はじめに 2014年に発表されたこの総説論文は、タンパク質糖化と酸化ストレスの相互作用、および栄養がこれらのプロセスに及ぼす影響について、ライフコース全体を通じて包括的に検討しています。特に、糖尿病だけでなく正常血糖状態における糖化の重要性...
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2型糖尿病患者における血圧管理の新戦略:DASH4D食とナトリウム制限 

はじめに:食事療法は薬に勝るか? 2型糖尿病(T2D)と高血圧は、しばしば同時に存在し、心血管イベントの主要な危険因子となります。T2D患者の約8割は高血圧を併発しており、その管理は動脈硬化性疾患や脳卒中、腎症予防において極めて重要です。し...
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GLP-1受容体作動薬:脂肪も減るが筋肉や骨も減る。対策必須の栄養戦略、統合的管理。

はじめに:GLP-1療法の広がりと課題 近年、GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は肥満治療のパラダイムを大きく変えつつあります。セマグルチド(週2.4mg)やチルゼパチド(週15mg)は、臨床試験においてプラセボと比較してそれぞれ12...
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糖尿病予備軍でも心血管疾患リスク上昇(大規模メタ解析)

はじめに:前糖尿病の定義と臨床的意義 前糖尿病(prediabetes)は、血糖値が正常範囲を超えているものの糖尿病の診断基準には満たない中間的な代謝状態を指します。この状態は、空腹時血糖値(FPG)や経口ブドウ糖負荷試験2時間値(2hPG...
糖尿病関連

HbA1c6.0%でも死亡リスクは上昇する。(NIPPON DATA90)

はじめに HbA1c(グリコヘモグロビン)は、過去1-2ヶ月間の平均血糖値を反映する指標として、糖尿病の診断や血糖コントロールの評価に広く用いられています。近年では、糖尿病のない一般集団においても、HbA1c値が心血管疾患(CVD)リスクの...
糖尿病関連

「糖尿病のけがある」「糖尿病予備軍」はすでに動脈硬化が生じ始めている

研究の背景と重要性 近年、糖尿病だけでなくより軽度の血糖異常(前糖尿病)が動脈硬化の発展に影響を与える可能性が注目されています。この研究は、ポーランド・ビャウィストク在住の20-79歳の一般住民を対象に、前糖尿病が無症候性アテローム性動脈硬...
医療全般

終末糖化産物 (AGEs) と疾患:病態と介入 2025

はじめに 終末糖化産物 (Advanced Glycation End Products;AGEs) は、還元糖とタンパク質、脂質、核酸との間の非酵素的反応によって生成される化合物群です 。AGEs は、体内では高血糖や酸化ストレスの条件下...
中枢神経・脳

心血管保護作用を持つ血糖降下薬は認知症を防げるか?

はじめに 世界で7500万人が認知症を患うと予測される2030年に向け、予防戦略は喫緊の課題です。糖尿病はその一因であり、推計で全認知症の約5%が糖尿病に起因するとされています。一方、近年の糖尿病治療は「血糖値コントロール」だけにとどまらず...
糖尿病関連

糖尿病患者における強化降圧治療の心血管イベント抑制効果

高血圧と2型糖尿病は、互いに密接に関連し合う「悪の共演者」として、心血管疾患(CVD)リスクを加速させてきました。今回、『The New England Journal of Medicine』に掲載された中国主導の大規模臨床試験「BPRO...