自律神経

自律神経

自律神経不全と起立性低血圧管理 レビュー

はじめに 立ち上がった瞬間に意識が遠のく、あるいは慢性的な疲労感に悩まされる患者の背後には、しばしば起立性低血圧(Orthostatic Hypotension;OH)という病態が潜んでいます。60歳以上の成人の20%以上に、、長期ケア施設...
中枢神経・脳

心臓の複雑性は脳が描く:脳心臓相互作用 

はじめに 古来、心臓と精神は密接に関連するものと考えられてきましたが、現代の神経科学はその「対話」を物理的な信号のネットワークとして捉え直そうとしています。本論文は、最先端の神経画像解析手法である回帰動的因果モデルを用い、脳内の因果的なつな...
自律神経

自律神経系の再起動:頸部自律神経ハイドロダイセクション

はじめに 現代医学が直面している最も困難な課題の一つに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後の長期的な体調不良、いわゆるロングCOVIDがあります。この病態の核心には、自律神経系の失調と慢性的かつ微細な神経炎症が潜んでいます。...
心臓血管

左利きという心血管リスク:血管内皮と自律神経の不協和音

はじめに 私たちは日常生活において、利き手を単なる個性のひとつ、あるいは脳の側性化を示す象徴として捉えています。しかし、医学の世界では古くから、左利き(left-handed;LH)の人々が直面する特有の健康課題が議論されてきました。過去の...
心拍/不整脈

心拍回復(Heart rate recovery:HRR)は、生体の「生理学的予備能」の統合マーカーである

はじめに 老化という不可逆的なプロセスにおいて、暦年齢と生理学的年齢の乖離をいかに測定し、介入するかは現代医学の至上命題です。最新の研究レビューによれば、運動終了直後の心拍数の減衰、すなわち心拍回復(Heart rate recovery:...
心拍/不整脈

心拍変動(HRV)は、HPA軸(視床下部-下垂体-副腎皮質系)と自律神経の連携、炎症への影響を含む、全身の適応性(アロスタシス)のバイオマーカーである

はじめに 現代社会におけるストレスの慢性的な存在は、身体的および精神的な健康に広範な悪影響をもたらすことが知られています。この複雑なストレス応答のメカニズムを非侵襲的かつ定量的に捉える指標として、心拍変動(Heart Rate Variab...
心拍/不整脈

心拍変動(HRV)は、内因性能力(Intrinsic Capacity)、レジリエンス(回復力)の指標

はじめに 老化という不可逆的なプロセスにおいて、私たちが真に追求すべきは単なる生存期間の延長ではなく、生命の質を形作る「内因性能力(Intrinsic Capacity)」の維持です。世界保健機関(WHO)が提唱したこの概念は、身体的・精神...
心臓血管

慢性心不全と心臓移植をつなぐ「自律神経」の核心

序論:心不全を「循環器疾患」だけで捉える時代の終わり 慢性心不全(CHF)は長く、ポンプ機能の低下という“力学的疾患”として理解されてきました。しかし本論文が強調するのは、心不全はむしろ 自律神経系(autonomic nervous sy...
自律神経

高血圧患者における高い安静時心拍数と交感神経過活動

序論 高血圧は多因子的な病態であり、血管・腎・代謝系の異常が相互に絡み合って進展します。その中でも交感神経系の過活動は長らく注目されてきました。今回のレビュー論文は、安静時心拍数(resting heart rate: RHR)を交感神経過...
心拍/不整脈

GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドと起立性頻脈症候群(POTS)の悪化

序論 近年、肥満症に対する薬物治療は急速に普及しており、その中心的役割を果たしているのがGLP-1受容体作動薬や、さらに進化した二重作動薬であるチルゼパチドです。チルゼパチドは、GLP-1(glucagon-like peptide-1)と...