心臓血管

終末糖化産物 AGEsと心血管疾患

はじめに 終末糖化産物=Advanced Glycation End Products(AGEs)は、タンパク質、脂質、核酸が非酵素的に糖化・酸化されることによって生成される多様な分子群です。 AGEsは、細胞内および細胞外マトリックスのタ...
心臓血管

動脈スティフネス arterial stiffness:血管老化のサイン

動脈スティフネス(arterial stiffness, AS)は、血管壁の弾性喪失を特徴とする病態であり、単なる加齢現象ではなく、慢性腎疾患(CKD)や糖尿病、高血圧といった病態と密接に関係する心血管リスクの早期マーカーです。本稿では、T...
性行為関連

性行為の体位の種類における心負荷

はじめに:研究の背景と重要性 1984年に発表されたこの研究は、性行為中の心拍数、心圧積(心拍×血圧積(rate–pressure product, RPP))、酸素摂取量(Vo₂)を初めて包括的に測定した画期的な論文です。当時、心筋梗塞後...
性行為関連

性行為とトレッドミル運動負荷の心拍数・血圧反応の比較

研究の背景と意義 「性的活動は心臓に悪いのではないか?」――この問いは、高齢化社会の中でますます重要性を増しています。とくに、既往に心疾患を抱える患者にとって、性的活動がどの程度の心血管負荷をもたらすのかを定量的に評価することは、安全な性生...
性行為関連

健常成人における性行為中の血圧・心拍数・心負荷の変化

はじめに:性と心血管リスクをめぐる誤解と実態 性的活動は人間の基本的な生理行動でありながら、特に心血管疾患のリスクを抱える人々にとっては、長らく「負担の大きい行動」として敬遠されがちでした。1950〜60年代には、性行為中の心拍数(HR)や...
性行為関連

心血管系に及ぼす性行為の影響 性行為は心血管にとって危険か?

序章:性行為は心臓に悪いのかという問い 心疾患をもつ多くの人が、性行為による突然死や心筋梗塞を恐れ、性生活に制限をかけています。しかしその結果、生活の質(QOL)は大きく損なわれます。このような患者に対し、「性行為は心臓に悪いのか」「どこま...
整形外科

メトホルミンが肥満を伴う膝関節症の疼痛緩和効果;NSAIDsを超える?

はじめに:膝関節症治療におけるメトホルミンの可能性 膝関節症(OA)は世界中で3億6500万人に影響を与える深刻な疾患であり、特に肥満や過体重を伴う症例では治療が困難です。今回紹介する研究は、2型糖尿病の第一選択薬として60年以上使用されて...
生活環境

サマータイム廃止の必要性と公衆衛生への影響

はじめに 2025年4月にJAMAに掲載された記事は、サマータイム(Daylight Saving Time: DST)が人間の健康に及ぼす影響について、医学的エビデンスに基づいて警鐘を鳴らす内容です。著者らは、DSTが引き起こす概日リズム...
ED

非処方型PDE5阻害薬と性活動関連死の関連性

はじめに 近年、インターネットを通じて医師の診断なしに海外から購入されたPDE5(ホスホジエステラーゼ5型)阻害薬の使用が増加しています。この論文は、非処方使用のPDE5阻害薬が死因に関与した可能性のある6症例を詳細に報告し、法医学的・臨床...
性行為関連

性行為に関連する突然死【日本】

はじめに:性行為の普遍性とその裏に潜むリスク 性行為は生物の種の保存に不可欠な本能であり、快楽や愛情と密接に結びつきながら人間の生活に深く根ざしています。しかし、こうした生命を育む営みの最中、あるいは直後に突然命を落とす事例が存在することは...