糖尿病関連

セマグルチドやチルゼパチドなど、インクレチン系抗肥満薬の副作用管理

はじめに 近年、セマグルチドやチルゼパチドといったインクレチン系薬剤は、肥満やその合併症(2型糖尿病、脂質異常症など)の治療において画期的な進歩をもたらしています。しかし、これらの薬剤には消化器症状を中心とする副作用が伴い、適切な管理が求め...
Digital Health

スマートトイレによる便画像解析

「便スキャン」搭載便器「ネオレストLS-W/AS-W」 TOTO株式会社は、新機能「便スキャン」を搭載したウォシュレット一体形便器「ネオレストLS-W」「ネオレストAS-W」を2025年8月1日(金)から日本国内で発売すると発表しました。め...
医療全般

体脂肪率はBMIより優れた指標:若年成人における身体組成と死亡率 

はじめに 日常診療で最もよく使われる身体指標の一つが、体格指数(BMI: Body Mass Index)です。簡便で費用がかからず、各種ガイドラインや健康診断にも広く組み込まれていることから、医療者や一般の人々にとっては馴染み深い指標とい...
Uncategorized

SGLT2阻害薬と動脈硬化

はじめに:糖尿病薬が心血管治療の主役に躍り出る 近年、SGLT2阻害薬(SGLT2i)は、単なる血糖降下薬という枠を超えて、心血管保護薬としての地位を確立しつつあります。もともとは2型糖尿病(T2DM)の治療薬として開発されたこの薬剤群が、...
女性医療

妊娠関連静脈血栓塞栓症の臨床像と転帰

はじめに 妊娠は生理的変化によって凝固能が高まる状態であり、静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism, VTE)のリスクが非妊娠時に比べて6〜7倍に上昇するとされています。VTEは、肺血栓塞栓症(PE)と深部静脈血栓症(...
中枢神経・脳

心血管リスク因子はどのくらい認知症発症と関連するのか?「80歳を超えてからでは遅い」という現実

はじめに  認知症の発症には加齢や遺伝的素因だけでなく、生活習慣に基づく修正可能な危険因子の関与が指摘されてきました。その中でも特に「中年期の高血圧・糖尿病・喫煙」は、血管性病変を介して脳機能に影響を与えるとされ、近年ではアルツハイマー病と...
泌尿器科

男性の下部尿路症状(LUTS)の包括的理解と治療戦略 JAMA(2025)「Lower Urinary Tract Symptoms in Men: A Review」

下部尿路症状(LUTS)の疫学的意義と臨床的影響 男性の加齢に伴い出現する下部尿路症状(lower urinary tract symptoms, LUTS)は、単なる加齢現象として見過ごされがちですが、その背後には前立腺肥大症(benig...
Digital Health

人工知能(AI)は心臓専門医を代替するのか?

はじめに:議論の枠組み 人工知能(AI)の進化は、循環器診療に大きな波をもたらしています。とくに生成AIやマルチモーダルAIの登場により、心電図や画像診断、治療アルゴリズム、さらには医学教育の根幹までもが変わろうとしています。欧州心臓病学会...
がん、悪性腫瘍

がんサバイバーに潜む心血管死亡リスク:日本全国データに基づく解析

はじめに がんの治療成績が向上し、生存期間が大きく延伸する中で、「がんサバイバー」の長期的な健康リスクへの関心が高まっています。中でも心血管疾患(Cardiovascular Disease, CVD)は、がん治癒後に現れる“第2の脅威”と...
Digital Health

人工知能が革新する循環器診療

はじめに:AIと心血管医療の接点 近年、人工知能(AI)の進歩が急速に進み、心血管医療にも変革の波が押し寄せています。これまで医師の熟練によって支えられていた診断やリスク評価、画像読影、さらには治療選択にまで、AIは精度と効率性の面で大きな...