血圧

拡張期血圧の上昇と低下:末梢血管と大動脈硬化から読み解く高血圧の進行

序論 血圧の上昇は単に「数値の異常」ではありません。そこには血管レベルでの機能的・構造的変化が反映されており、その病態を見極めることは予防や治療戦略を考えるうえで決定的に重要です。若年から中年にかけては拡張期血圧の上昇が目立ち、高齢になると...
心拍/不整脈

私たちが宇宙を旅する未来は、もう目前に迫っている!宇宙飛行と心血管系の生理変化

はじめに 有人宇宙探査は、かつて国家主導の壮大なプロジェクトでしたが、近年は民間企業の参入により新たな局面を迎えています。月面滞在や火星探査といった長期宇宙滞在が現実味を帯びるなかで、最も大きな課題の一つが人体への影響です。特に心血管系は重...
がん、悪性腫瘍

GLP-1受容体作動薬と長期的ながんリスク

序論 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は、近年の糖尿病治療と肥満治療において最も注目を集める薬剤のひとつです。血糖降下作用と体重減少効果を同時に有し、心血管疾患リスクを低減させる可能性も示されてきました。その一方で、長期的な安全性、...
心拍/不整脈

GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドと起立性頻脈症候群(POTS)の悪化

序論 近年、肥満症に対する薬物治療は急速に普及しており、その中心的役割を果たしているのがGLP-1受容体作動薬や、さらに進化した二重作動薬であるチルゼパチドです。チルゼパチドは、GLP-1(glucagon-like peptide-1)と...
心拍/不整脈

洞不全症候群の薬物治療の新たな選択肢?GLP-1受容体作動薬

序論:GLP-1受容体作動薬の二面性 グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は、2型糖尿病や肥満の治療において大きな進歩をもたらしてきました。臨床試験では、主要心血管イベントを14%減少させ、全死亡率を12%低下させること...
心拍/不整脈

洞不全症候群の薬物治療 テオフィリンとシロスタゾール 

序論 洞不全症候群(sick sinus syndrome, SSS)は高齢者を中心にみられる徐脈性不整脈であり、疲労、めまい、呼吸困難、失神といった症状を呈します。第一選択の治療は恒久的ペースメーカー植込みであり、生命予後や失神予防におい...
心拍/不整脈

歳をとるとなぜ洞結節機能が低下するのか?

序論 心臓の拍動は生涯に20億回以上繰り返され、その律動を支えるのが洞房結節(sinoatrial node: SAN)です。しかし、加齢とともにこの主要なペースメーカーの機能は低下し、洞不全症候群(sinus node dysfuncti...
心拍/不整脈

洞不全症候群と生活習慣 ― 洞不全症候群を予防することはできるのか?

序論 洞不全症候群(Sick Sinus Syndrome, SSS)は洞結節の機能不全により発症する重篤な不整脈です。洞性徐脈や洞停止、発作性心房細動など多彩な臨床像を呈し、重症例では失神や突然死のリスクを伴います。発症の中心は加齢に伴う...
心拍/不整脈

洞不全症候群と心房細動の双方向性関係

はじめに 洞不全症候群(sick sinus syndrome, SSS)は洞結節の機能障害によって徐脈や洞停止を呈する病態ですが、その臨床的意義は単なる徐脈にとどまりません。特に心房細動(atrial fibrillation, AF)と...
心拍/不整脈

洞不全症候群とは

はじめに 歌手の美川憲一さん(79歳)が「洞不全症候群(SSS: Sick Sinus Syndrome)」と診断され、ペースメーカー植込み術を受けたことを公表しました。 美川憲一が「洞不全症候群」を公表 ペースメーカー取り付け手術も報告「...