脂質代謝

LDL-C/HDL-C比(LH比)を活用することでより精度の高い冠動脈疾患リスク層別化が可能になる

はじめに 冠動脈疾患(CHD)は依然として世界的な死亡原因の上位を占めており、その発症メカニズムの根幹には動脈硬化があります。これまで、LDL-C(低比重リポタンパクコレステロール)やHDL-C(高比重リポタンパクコレステロール)といった単...
生活環境

ゴルフ場周辺居住とパーキンソン病リスク

はじめに ゴルフは心身の健康に良いスポーツとして知られています。しかし、その舞台となるゴルフ場の維持には多量の農薬が用いられており、周辺環境への影響が懸念されています。特に近年注目されているのが、パーキンソン病(Parkinson dise...
性行為関連

性活動が心血管系に及ぼす影響

序論:性活動と心血管リスクの歴史的議論 性活動が人間の健康、特に心血管系に及ぼす影響については、長年にわたり議論が続けられてきました。1950年代から報告されている「性交関連突然死」の症例は、心疾患を持つ多くの患者に不安を与え、生活の質(Q...
糖尿病関連

糖尿病予備軍でも心血管疾患リスク上昇(大規模メタ解析)

はじめに:前糖尿病の定義と臨床的意義 前糖尿病(prediabetes)は、血糖値が正常範囲を超えているものの糖尿病の診断基準には満たない中間的な代謝状態を指します。この状態は、空腹時血糖値(FPG)や経口ブドウ糖負荷試験2時間値(2hPG...
ED

新型コロナウイルス感染後の勃起不全(ED)

はじめに:コロナ後遺症の中に潜む静かな問題 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、急性期の呼吸器症状にとどまらず、感染から数か月、あるいは年単位で持続する多彩な後遺症、いわゆるlong-COVIDの存在を明らかにしま...
糖尿病関連

HbA1c6.0%でも死亡リスクは上昇する。(NIPPON DATA90)

はじめに HbA1c(グリコヘモグロビン)は、過去1-2ヶ月間の平均血糖値を反映する指標として、糖尿病の診断や血糖コントロールの評価に広く用いられています。近年では、糖尿病のない一般集団においても、HbA1c値が心血管疾患(CVD)リスクの...
糖尿病関連

「糖尿病のけがある」「糖尿病予備軍」はすでに動脈硬化が生じ始めている

研究の背景と重要性 近年、糖尿病だけでなくより軽度の血糖異常(前糖尿病)が動脈硬化の発展に影響を与える可能性が注目されています。この研究は、ポーランド・ビャウィストク在住の20-79歳の一般住民を対象に、前糖尿病が無症候性アテローム性動脈硬...
医療全般

終末糖化産物 (AGEs) と疾患:病態と介入 2025

はじめに 終末糖化産物 (Advanced Glycation End Products;AGEs) は、還元糖とタンパク質、脂質、核酸との間の非酵素的反応によって生成される化合物群です 。AGEs は、体内では高血糖や酸化ストレスの条件下...
心臓血管

終末糖化産物 AGEsと心血管疾患

はじめに 終末糖化産物=Advanced Glycation End Products(AGEs)は、タンパク質、脂質、核酸が非酵素的に糖化・酸化されることによって生成される多様な分子群です。 AGEsは、細胞内および細胞外マトリックスのタ...
心臓血管

動脈スティフネス arterial stiffness:血管老化のサイン

動脈スティフネス(arterial stiffness, AS)は、血管壁の弾性喪失を特徴とする病態であり、単なる加齢現象ではなく、慢性腎疾患(CKD)や糖尿病、高血圧といった病態と密接に関係する心血管リスクの早期マーカーです。本稿では、T...