糖尿病関連

AGEの組織蓄積とAGE-RAGE相互作用は非糖尿病でも、全てのライフステージで影響を与えうる

はじめに 2014年に発表されたこの総説論文は、タンパク質糖化と酸化ストレスの相互作用、および栄養がこれらのプロセスに及ぼす影響について、ライフコース全体を通じて包括的に検討しています。特に、糖尿病だけでなく正常血糖状態における糖化の重要性...
糖尿病関連

2型糖尿病患者における血圧管理の新戦略:DASH4D食とナトリウム制限 

はじめに:食事療法は薬に勝るか? 2型糖尿病(T2D)と高血圧は、しばしば同時に存在し、心血管イベントの主要な危険因子となります。T2D患者の約8割は高血圧を併発しており、その管理は動脈硬化性疾患や脳卒中、腎症予防において極めて重要です。し...
食事 栄養

若年女性の「原因不明の不調」と魚介類の摂取

はじめに:曖昧な不調と現代女性のこころとからだ 倦怠感、手足のしびれ、息切れ、下肢のだるさ、胃の張り、集中力低下など、明確な器質的疾患の裏付けがないにもかかわらず日常生活に支障をきたすような「原因不明の身体的訴え(unidentified ...
ED

分娩時低酸素性合併症に対するシルデナフィル投与の効果

はじめに 分娩中、子宮収縮による一過性の胎盤血流低下は、胎児に低酸素性ストレスをもたらす可能性があります。特に胎盤機能が低下している妊婦では、収縮と収縮の間の再灌流が不十分となり、胎児の酸素供給が損なわれることがあります。このような低酸素性...
ED

低用量タダラフィル(5mg)1日1回服用 の服薬アドヒアランス

はじめに:ED治療におけるアドヒアランスの重要性 勃起不全(erectile dysfunction:ED)は、性機能の低下だけでなく、心理社会的なQOLにも深刻な影響を及ぼす疾患です。その治療において、PDE-5阻害薬は第一選択肢の一つで...
糖尿病関連

GLP-1受容体作動薬:脂肪も減るが筋肉や骨も減る。対策必須の栄養戦略、統合的管理。

はじめに:GLP-1療法の広がりと課題 近年、GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は肥満治療のパラダイムを大きく変えつつあります。セマグルチド(週2.4mg)やチルゼパチド(週15mg)は、臨床試験においてプラセボと比較してそれぞれ12...
脂質代謝

スタチンはうつ症状を改善するのか?

はじめに:なぜ「うつ」と「脂質」に注目するのか 大うつ病性障害(major depressive disorder:MDD)と肥満は、いずれも世界的に蔓延している非感染性疾患であり、患者の生活の質を著しく損ない、予後にも大きく影響します。両...
心臓血管

下大静脈の変化は、静脈圧の変化よりも鋭敏である

はじめに:静脈の「かたち」に注目する 心不全による入院の半数以上が急性増悪(ADHF)によるもので、医療経済的にも大きな負担となっています。心不全におけるうっ血は、病態進展と再入院を繰り返す大きな要因であり、的確なうっ血の評価は治療方針の決...
心臓血管

下大静脈センサーによる心不全の遠隔管理:FUTURE-HF試験

はじめに:うっ血性心不全における新たなモニタリング技術の可能性 心不全(heart failure, HF)の急性増悪、特にうっ血性増悪は、再入院や死亡リスクの主要因であり、慢性心不全管理における最大の課題の一つです。臨床所見のみではうっ血...
心拍/不整脈

心室頻拍に対する心外膜アクセス:冠静脈穿刺とCO₂注入

はじめに 心室頻拍(VT)に対するアブレーション治療は、電気生理学の進歩とともに確実な治療選択肢として位置付けられてきました。しかし、心筋瘢痕を基盤とするVTでは、しばしば心内膜アプローチのみでは不十分であり、心外膜(エピカルジアル)からの...